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八条学園騒動記

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第五百二話 撮影の後でその九

「それを見てもね」
「そういうの厳しいわよね」
「そうだよ」
「その筈なのに」
 ジュリアは首を傾げさせつつ述べた。
「アラビアンナイトはね」
「あけっぴろげで」
「そうした場面が多いのよ」
「そうなんだね」
「それでそうした場面は」
「ざっと読んでなんだ」
「もう流す感じで」
 つまりほぼ内容を目で確認して頭の中でイメージしたりすることもあえてしないで読んでいたのだ。
「済ませてたの」
「そうだったんだ」
「だってね」
「恥ずかしいから」
「そう」
 何につけてもというのだ。
「そうしていたのよ」
「そんなのじゃそうした本とか漫画とかは」
「読めないっていうの?」
「僕は普通に読んでるよ」
「DVDもよね」
「うん」
 ジョルジュは微笑んで即答した。
「いつもね」
「あんたはそうでもね」
「ジュリアはだね」
「違うから」
 そこはというのだ。
「あたしは」
「ううん、慣れた方がよくない?」
「慣れるって?」
「だかそうしたことにだよ」
 ジュリアの言ういやらしいことにというのだ。
「そうしたらどうかな、というかね」
「というかっていうと」
「アラビアンナイトで駄目だったら」
 それならというのだ。
「今のそうした小説とかはね」
「無理だっていうのね」
「読めないんじゃないかな」
「実際読めないわよ」
 ジュリアはジョルジュに答えた。
「漫画もね」
「やっぱりそうなんだね」
「ゲームもアニメもよ」
 そうしたものもというのだ。
「どうしてもね」
「いや、それはやっぱり」
「駄目かしら」
「駄目っていうか将来結婚した時とかに」
「ああ、結婚したら」
「当然としてね、しっかりした交際をしても」
 つまりそうしたことをする相手が出来ればというのだ。
「やっぱりね」
「それはわかっているけれど」
「それでもなんだ」
「私はね」
 どうしてもというのだ。
「抵抗があるから」
「だからなんだ」
「アラビアンナイトもそうしたところはざっとで」
「そうしたジャンルの漫画とか小説は」
「アニメもゲームもね」
「ゲームなんかは」
 ジョルジュは所謂十八禁のゲームの話もした、十八歳以上は禁止でもこの辺りは言わない約束なのはこの時代でも同じだ。
「結構穏やかだよ」
「そうなの?」
「そこまで至るシチュエーションやその後が大事かな」
「そうした場面よりも」
「そうした場面が確かに一番大事だけれど」
 それが売りのゲームだがというのだ。 
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