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八条学園騒動記

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第五百二話 撮影の後でその八

「大抵お忍びで出て来るんだよね」
「そうそう、商人に化けてね」
「それで色々やってるけれど」
「あの人とお話したりして」
「楽しみたいんだ」
「アラビアンナイトの物語をね」
「つまりあの世界のお話が好きなんだ、っていうと」
 アラビアンナイトだからとだ、ジョルジュは笑ってこうも言った。
「ジュリアもそんなこと好きなんだね」
「アラビアンナイトって、ああそういえば」 
 ジュリアはジョルジュの言わんとしていることに気付いて応えた。
「あのお話いやらしいお話も多いわね」
「結構多いんだよね、これが」
「最初から王妃様の浮気からはじまるね」
「それぞれの王様のね」 
 何と兄弟揃って王妃に浮気されていたのだ。
「それで中にはね」
「お兄さんの王様がね」
 後に物語を語るシャハラザードの夫となる王だ。
「王妃様にね」
「逆ハーレム持たれてたわね」
「それこそ男女入り乱れて」
「そうしたパーティーしてたわね」
「そこからはじまるからね」
「アラビアンナイト自体も」
「そうしたお話多いわね」
 実は只のファンタジーではなくそうした淫靡な話も多いのだ。
「そういえば」
「そうだよ、だからね」
「そうした部分は読んでもね」
「あまり、なんだ」
「ざっと読んで」
 そうしてというのだ。
「流してたから」
「そうだったんだ」
「そうよ、そんなお話はね」
 ジュリアは顔を赤くさせて語った。
「恥ずかしいから」
「純情なこと言うね」
「いや、実際にね」
 恥ずかしいと言うのだ。
「だからよ」
「あまり、なんだ」
「そう、読んでもね」
 そうしてもというのだ。
「あまりね」
「読まなくて」
「ざっとよ」
 それで終わらせていたというのだ。
「それでね」
「済ませていたんだ」
「というか」
 ここでこうも言ったジュリアだった。
「アラブってそうしたこと厳しい筈よね」
「いやらしいことについて」
「そう、あっちはね」
 まさにというのだ。
「今のサハラでもね」
「当時のアラブはもっとかな」
「奥さんは四人までだけれど」
 この時代でもサハラではそう決められている国ばかりだ、サハラの法律はコーランに基づいているからだ。
「それでもね」
「男女間の倫理はね」
「厳しいよ」
「そうよね」
「ハーレムはあっても」
 このことは言うジョルジュだった。
「女の人の浮気については」
「厳しいわよね」
「だからね」
 それでというのだ。
「最初に王様もね」
「兄弟で奥さん殺したのよね」
「浮気したからね」
 それも兄王の王妃はかなりのものだった。 
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