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星河の覇皇

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第七十部第一章 外縁部の賊その三十七

「あるな」
「ですよね、ですが」
「そうした差別してくる奴だけじゃないか」
「はい、そうですよ」
「だからか」
 またビジネスマン達の方を観てだ、曹長は親父に言った。
「あの人達は頼りにしてくれてるんだな」
「俺もですよ」
 親父は笑ってだ、曹長に自分もだと答えた。
「やっぱり義勇軍にはです」
「頑張って欲しいか」
「はい、さもないとです」
 それこそというのだ、義勇軍が頑張らないとだ。
「作戦も成功しないで」
「海賊とかもか」
「ここに来ようとしますからね」
「宇宙海賊か」
「連中は厄介ですよ」
 親父は顔を顰めさせてだ、曹長に言った。
「わかりますよね」
「隙があったらすぐに来てな」
「奪え殺せですよ」
 それこそというのだ。
「あんな厄介な連中そうそういないですよ」
「テロリストもいるしな」
「連中はもっと厄介です」
 宇宙海賊よりもというのだ。
「何かどいつもこいつも宗教だの革命だの言いますが」
「連合にはそんなこと言う連中もいるな」
「いますよ、変な奴も」
 連合にはというのだ。
「中にもいますがそうした連中が取り締まられて」
「外に逃げてな」
「辺境に来て悪さしたりするんですよ」
 即ちテロを行うというのだ。
「忍び込んで」
「そうしたことをする連中だからか」
「いなくなって欲しいんですよ」
 親父にしてもというのだ。
「実際にね」
「そうか」
「はい、あっちのお客さん達も同じですよ」
「だから俺達にもか」
「頑張って欲しいです、それに?」
「それに?」
「義勇軍が頑張ってくれますと」
 即ち彼等がだ。
「私達も平和になって楽になりますから」
「ははは、だからか」
「犯罪者がいなくなれば」
 それでというのだ、海賊やテロリスト達が。
「その分だけです」
「楽になるからか」
「頼みなす、正規軍も来ますが」
 彼等はというと。
「わかりますよね」
「それは言えないな」
 曹長は親父が何を言いたのかを察してだ、口の端を歪めて笑って言った。
「俺はな」
「義勇軍としてはですね」
「ああ、ちょっとな」
「そうですか、まあとにかくです」
「正規軍はか」
「数と装備はいいんですがね」
 それはいいがというのだ。
「しかし」
「それでもっていうんだな」
「私等ですよ」 
 即ち連合市民だからというのだ。
「戦いを知らないですから」
「千年の平和か」
「はい、ですから」
「正規軍はか」
「戦いを知らない軍隊ですからね」
 それ故にというのだ。 
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