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レーヴァティン

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第九十一話 商人達の会合その一

               第九十一話  商人達の会合
 耕平が手に入れた島全体の情報はというと。彼は仲間達に島全体の地図を開いてそれぞれの地域を指差しつつ話した。
「この通りな」
「文字通りの群雄割拠ですね」
 良太が応えて言った。
「歩き回ってある程度はわかっていましたが」
「これといって大きな勢力はないけれどな」
「一つの地域、街単位でそれぞれの勢力に別れていますね」
「土着の豪族やら寺社やら商人やらでな」
「豪族といっても二つあるっちゃな」
 愛実も言ってきた。
「武士と公家で」
「そや、二つの系統があるな」
「それぞれ違うっちゃね」
「この島では両方支配層っちゅうこっちゃ」
「それはですね」
 武士と公家、二種類の支配層がいることについて謙二が言った。
「鎌倉期の日本ですね」
「あの頃と違って丁度半々位で朝廷はないけどな」
「そういえば中央らしきものがないであります」
 峰夫はそのことに応えた。
「この島、ひいてはどうも世界が」
「皇室の方々は不思議なことに神々になっているでござる」
 智は首を傾げさせて述べた。
「こちらの世界では」
「そこもちゃうな」
「拙者達の世界と違うことは承知していたでござるが」
「ほんま全くちゃうわ」
「この島ですら」
「とにかく大きな勢力はない」
 耕平はこのことを絶対だと述べた。
「若し大坂を手に入れられたらな」
「この島で第一の勢力になりますね」
 紅葉は地図を見つつ述べた。
「そうですね」
「そや、そやからや」 
 だからだというのだ。
「まずこの街をな」
「掌握することやな」
「それが大事や」
 まさにというのだ。
「旗揚げや」
「その通りだな、しかし」
 英雄も地図を見つつ述べた。
「群雄割拠にしてもだ」
「勢力が何百とあるとよ」
 香織が英雄のその言葉に応えた。
「さっきも話に出たたいが豪族に寺社、商人もいれば忍に賊に山の民」
「街のヤクザ屋さんも入れるかい」
 桜子は笑って言った。
「賊って言えば」
「入れてもいいたいな」
 桜子も否定せずにこう帰した。
「これは」
「そうするね」
「それでとよ」
 また言った桜子だった。
「これからの問題はたい」
「その全部の勢力をね」
「まとめるとよ」
「この大坂でもそうしてるしね、あたし等」
「とりあえずこっちはこんな感じや」
 耕平も地図を見つつ言った。
「この島全体でな」
「大体わかった、そして島の状況がな」
 幸正が言ってきた。
「大坂にも影響する」
「商売でもそやな」
「商売は生きものだ」
 まさにというのだ。
「それだけにな」
「島全体、もっと言えばな」
「西の島のこともな」
「影響するな」
「島全体の流れは商売の中でおおよそにしてもな」
「わかっていたんやな」
「そうだったが地図で詳しく見聞きすると」
 余計にというのだ。 
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