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レーヴァティン

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第九十話 ならず者達その十二

「それで」
「今考えているのは商人の寄り合いに出てな」
「そこでだね」
「銭と兵を見せてな」
 その二つでというのだ。
「どの商人も圧倒するものを見せてだ」
「寄り合いの第一に出るんだね」
「そこで前にも言ったが」
「大坂の主にだね」
「推挙される様にする」 
 大坂を仕切る商人達の寄り合いに出て力を見せたうえでというのだ。
「これからな」
「そうしていくんだね」
「それでだが」
 さらに言う英雄だった。
「まだ力が足りない」
「銭も兵も」
「今の時点で半分か」
 目標の五十パーセント程度だというのだ。
「残念だがな」
「もう半分じゃないかい?」
「まだ半分と考えるべきだと思うがな」
「予想以上に進んでいてもかい」
「そうだ、早ければ早い程いい」
 勢力の充実、それはというのだ。
「だからな」
「ここはだね」
「そうだ、まだだ」
 そうなるというのだ。
「まだ半分だ」
「もう半分じゃなくてだね」
「それ位のものだ」
 こう言うのだった。
「そう考えてだ」
「進めていってるんだね」
「そういうことだ、だがな」
 考えながらだ、英雄は言った。
「大坂のことも大事だが島全体のこともな」
「わかっとかなあかんな」
 耕平が応えた。
「そっちのこともな」
「そうだ、だからな」
「島全体の情報収集もやな」
「してもらいたい」
「わかったわ、これまでは大坂が主やったけど」
「島全体の情報をな」
「集めてくか」
「その様に頼む」
 是非にと言ってだ、英雄は島全体の情報収集もはじめることにした。そのうえで大坂を手中に収める旗揚げにする様に進めていくのだった。


第九十話   完


                 2018・11・16 
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