| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十部第一章 外縁部の賊その二

「締まるからな」
「絞めて締まるですね」
「女の身体ってそうですからね」
「途中で死んでもですね」
「それでいくんですね」
「その娘も死んだけどな」
 その八歳の女の子もというのだ、彼が毒牙にかけた。
「楽しませてもらったわ」
「ですか、じゃあ俺達もちょっと行ってきます」
「さらった女達のところに行って」
「そうしてきます」
「そうせい、ただ今は兄貴と亀剛もそっちにおるからな」
 それでというのだ。
「あいつ等の余りならおるかもな」
「お二人も好きですからね、女」
「それも一度に何人もですからね」
「だから俺達はその余りの女ですね」
「その連中とやれってことですね」
「おばはんでもよかったらな」
 若いいい女は彼等が独占していてもというのだ、亀陽は先程取った干し肉を口の中に入れて咀嚼しつつ言った。
「その連中でもやれ、ええな」
「はい、そうしてきます」
「ちょっと女とやってきます」
「そうして辛気臭いの抜いてきます」
「そうしてきます」
「ヤクもあるからな」
 麻薬と言われる類のものもというのだ。
「それもやりたければやれ」
「女にも打てばいいですね」
「それで女をいかれさせてやりますか」
「そうしたら女も乱れますしね」
「頭おかしくなって」
「そうせえ、それで明日また出てな」
 銀河、そこにである。
「今度はちょっと遠くに行くからな」
「そこで仕事ですね」
「奪うもの奪ってそうしてやりますか」
「金目のものでも食いものでも何でも」
「女でも男でも」
「男とやりたい奴もおるやろ」
 即ち同性愛者がというのだ。
「わしも男でもええさかいな」
「男でも子供ならですよね」
「亀陽さん好きですからね」
「そや、子供が一番や」
 慰み者にして楽しむにはというのだ。
「抵抗もできんしな」
「大人の女と違ってですね」
「亀陽さん抵抗した奴はすぐに殺しますからね」
「そうしますから」
「死体とやるのもええけどな」
 だがそれでもというのだ。
「最初からそれやろおもろない、そやからな」
「まずは、ですね」
「生きてる奴としたい」
「だから子供ですね」
「そや」
 下卑た笑みでの返事だった。
「ガキが一番ええ」
「そういうことですね」
「じゃあガキをさらってですね」
「また楽しみますか」
「今度の仕事の時も」
「そうする。しかしのう」 
 亀陽はこうも言った。
「最近ええガキおらんな」
「そうですね」
「連合はガキも垢抜けてますけれど」
「それがですね」
「外の方は違いますね」
「この辺りは」
「この辺りは田舎や」
 亀陽は笑って言った。
「連合の外にあるな」
「適当な国みたいなのが散らばってるだけで」
「連合とは違いますね」
「あっちは曲がりなりにも一つの国で」
「金もありますからね」
「この外縁部はただの無法地帯やろが」
 亀陽もわかっている、このことが。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧