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星河の覇皇

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第七十部第一章 外縁部の賊その三

 それでだ、手下達にもこう言うのだ。
「そやからな」
「金もなくて垢抜けた女もいない」
「ガキも汚い」
「そうなんですね」
「しけたもんや」
 亀陽はこうも言った。
「この稼業もな」
「もっと割のいいのしますか」
「麻薬作って売りますか」
「そうしますか」
「そうしたらええかもな、麻薬は何処でも売れるわ」
 それこそというのだ。
「連合にも密売ルート作ってな」
「ここで作って売りますか」
「覚醒剤でもコカインでも何でも」
「とりあえず何でも作って」
「それで売りますか」
「そうしよか、海賊よりもな」
 宇宙海賊である、言うまでもなく。
「麻薬作って売る方が銭になるんやったら」
「そうしましょうか」
「それお頭にもお話して」
「そうしていきますか」
「そうしよか」
 こんな話をしてだった、亀陽はその最近すっかり収入が減った海賊稼業のことを考えていた。しかしそれは彼等だけでなく。
 他の海賊達もだ、こんなことを話していた。
「海賊をやってもな」
「最近辛いな」
「連合は連合軍のガードが固くてな」
「あいつ等が出来てから行きにくくなった」
「この辺り荒らしてるが」
「外縁なんてな」
「ああ、金がない」
 亀陽と同じことを言うのだった。
「外縁の連中はな」
「テラ使ってる連中ならいいがな」
「未開の奥の方だと物々交換だぜ」
「そんな感じの奴等いるな」
「未開の奴等とかな」
「嫌な話だ」
 彼等の暮らしが辛いからだ、それでだ。
 彼等は海賊から他の仕事を考える者が多くなりだ、豊かな海賊達もだ。
 お互いに争い合いだ、そしてだった。
 潰し合っていた、この状況は連合軍にも伝わっていた。
 情報部の面々はその彼等を見てだ、情報部の中で話した。
「お互いに争い合ってるな」
「自然とな」
「こっちの謀略も効いてるがな」
「かなり勝手に争ってるな」
「結構な組織が士気も落ちてる」
「いい感じだな」
「自壊している奴等が多い」
 こう言うのだった、その彼等を見て。
「いや、いい感じでな」
「潰し合ってくれてる」
「じゃあこのままもっとな」
「潰し合ってくれ」
「やる気をなくしてくれ」
「こっちはもっと煽ってやる」
「争いもやる気をなくすことをな」
 謀略によってというのだ。
「その方が攻めやすくなる」
「内部分裂も起こし続けてやる」
「もうかなりそうなってる」
「それならだ」
「もっともっと争え」
「やる気をなくしてしまえ」
 彼等に次々と謀略を仕掛けられるとだ、その謀略を受け持っている統合作戦本部にも連絡する。それで作戦本部もだ。 
 情報部から送られる情報をもとに謀略を仕掛ける、それによってだった。
 外縁部のあらゆる組織が互いに争い内部分裂を起こし士気を失っていた。そのうえで。
 様々なコミュニティの情報を見てだ、八条は首相のアッチャラーンに首相官邸の会議室において話した。 
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