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星河の覇皇

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第六十九部第五章 分権派の警戒その二十

「中国は日本より上でだ」
「アメリカが随一ですね」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「国力を背景にしてだ」
「仕切ろうとしますね」
「確かに我が国もそうだが」
「しかしですね」
「あの二国は我が国以上だ」
 勿論日本の比ではない。
「何かにつけて出て来てだ」
「そしてですね」
「仕切りたがる、今回も間違いなくだ」
「仕切りますね」
「あれだけ国家元首に関係なくそうする国もない」
 アメリカ、中国共にというのだ。
「私も仕切ることを考えるが」
「はい、両国は」
「我が国以上でだ」
「国家元首に関係なくそうしてくる」
「あれは習性だ」
「そう言っていいですね」
 ソトニコワも言う。
「しかしそれをご承知で」
「私は両国を誘った」
「四国で仕切ろうと」
「今回はな、あくまで誘いだが」
「それからはですね」
「また別の話になる」
 各国政府を糾合してからはというのだ。
「あちらも間違いなくそう思っている」
「ですね、確実に」
「だから後はと考えていた」
「別の問題ですね」
「四国でどう仕切るかはな」
「それはそれですか」
「そうだ、出来れば四国でと思っていたが」 
 ロシアの国益を考えてだ、実はロシアは四国分でより多くの国を仕切ろうと考えていたのだ。それで四国にこだわっていたのだ。
「どうせ米中はそれぞれ仕切る国の数を多く言う」
「そして引きませんね」
「しかもそこで我々が止める」
「彼等も反発しますね」
「その反発を返すことが出来るが」
 しかしというのだ。
「それにはこちらも力を使う」
「そしてエネルギーを消耗しますと」
「中央政府に向けるエネルギーまで使う」 
 グリーニスキーが危惧しているのはこのことだ、彼はあくまで中央政府を抑えることを念頭に置いているのだ。
「しかし相手は違う」
「中央政府は、ですね」
「そのエネルギーを全て我々に向けられる」
「その違いは大きいですね」
「力は一つだ」
 中央政府のそれはというのだ。
「あまりにも大きい」
「その中央政府に対する為に」
「そうだ、だからだ」
「我々は内部の対立に力を割いてはなりませんね」
「出来る限りな」
「内部衝突を繰り返しては」
「それが破綻の素になる」
 グリーニスキーはそこまで見透かしているのだ。
 それでだ、こうソトニコワに言ったのだ。
「それでと思っていたが」
「中央政府の権限拡大を止める」
「中央政府の権限が拡大するとな」
「必然的に我がロシアにもかかりますね」
「その権限を脅かすことになる」
 集権と分権の問題だ、集権が進めば分権が脅かされるのだ。
 それでだ、ロシアもなのだ。 
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