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星河の覇皇

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第六十九部第五章 分権派の警戒その十九

「四国か六国かというか」
「日本とロシアの」
「最初の最初のな、しかもな」
「はい、日本とロシアだけで済むか」
「連合の主導権争いはそんなに甘くはない」
 グリーニスキーは全てわかっている目でソトニコワに答えた。
「私もそれをわかってアメリカと中国に声をかけた」
「彼等にですね」
「むしろ日本よりもな」
「その彼等ですね」
「アメリカと中国こそがな」 
 まさにだ、この両国こそがというのだ。
「こうした話では最も五月蝿い」
「主導権を握ろうとすることについては」
「常に出て来る」
「そうですね、まさに」
「だからだ」
 それでというのだ。
「どうせ今回もだ」
「この二国はですね」
「主導権争いに入る」
「日本、そしてロシアと共に」
「自分達で何でも仕切ろうとする」
「それが彼等の習性ですね」
「それがわかっていてまずは両国を引き込んだが」
 しかしというのだ。
「相手もわかっている」
「アメリカと中国も」
「これからが主導権争いの本場だ」
「仕切る国を決めて」
「それからもだ」
「まだあるのですね」
「いつものことだな」
「確かに、千年来のことですね」
 まさにとだ、ソトニコワも応える。
「連合では」
「そうだ、この国はな」
「各国と中央政府の仲が悪いですが」
「その各国の間でもだ」
「この通りですね」
「いつもいがみ合っている」
 当事者の一国の国家元首としてだ、グリーニスキーは言った。
「この通りな」
「まさにそうですね」
「だからだ」
「今回もですね」
「中央政府に全ての国であたるが」
「主導権争いもですね」
「並行して行われる」
 中央政府との衝突とだ。
「いつも通りな」
「問題はその主導権争いにかける力を最小限にする」
「それにかまけていると、わかるな」
「はい、話が頓挫します」
「そうなる」
「まさにですね」
「それが常だ、だからだ」
 それ故にとだ、グリーニスキーはまた言った。
「我々としてはな」
「そこはですね」
「その争いを最低限に抑え」
「そのうえで進めていくべきですね」
「そうだ、アメリカと中国はな」
「特にそれが強いので」
「注意するつもりだった」
 彼等に話をしたグリーニスキーもというのだ。
「両国はどんな国家元首でもな」
「はい、仕切ろうとすることはですね」
「変えない」
 常にというのだ。
「変わらない」
「千年来」
「そして強い」
「国力があるので」
「ロシアの国力は日本より少し落ちるが」
 しかしというのだ。 
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