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第三章

「だから余計にね」
「暖かくしてるのね」
「寝る時も靴下履いてるし」
 そうした配慮も行っているというのだ。
「とにかく冬は大敵よ、それでコーちゃんにもね」
「チョコ買ってあげるのね」
「奮発するから」
 弟にあげるそのチョコはというのだ。
「あとホワイトデーもいいし」
「貰わないの、マシュマロ」
「弟からは貰わないわよ」
 くすりと笑っての言葉だった。
「だからいいわ」
「そうなのね」
「これがいいわね」
 展示する様にして陳列されているチョコレート達の中で一番豪華そうなのを手に取っての言葉である。
「これあげるわ」
「一番高いじゃない」
「コーちゃんが好きそうだから」
 弟がとだ、智恵は笑顔で話した。
「だからね」
「弟さんにはこのチョコレートなのね」
「そうするわ、それで」
 智恵はチョコレートを物色しつつ美冬にさらに話した。
「パパにはこれ」
「チョコレートボンボンね」
「パパ洋酒好きだから」
 このことからというのだ。
「これ買ったらホワイトデー楽しみだし」
「お礼込みなのね」
「そう、これをあげて」
 そしてというのだ。
「ホワイトデーはおねだりするわよ」
「お父さんには見返りなの」
「だってパパだから」
「そこでパパって言うとどうにも」
「実のお父さんでもプレゼント貰えるから」
 だからだとだ、智恵は笑って言うのだった。
「だからね」
「お父さんにはボンボンなのね」
「これね。それでママは」
 最後の相手にはだった。
 智恵はゴディバのそれを思わせる小さな可愛らしいデザインのそれがセットになっているのを選んでいった。
「これね」
「お母さんのも豪華ね」
「コーちゃんにあげるのの次位ね」
「お母さんにも豪勢ね」
「だってママだから」
 母親だからだというのだ。
「それはね」
「ちゃんとなのね」
「そう、いつも色々教えてもらってるから」
「お母さんにはなのね」
「コーちゃんの次にね」
「いいのをあげるのね」
「そうするわ」
 こう言ってだ、そしてだった。
 智恵は自分が買うチョコレートを決めた、そのうえで美冬が買うチョコレートを隣から見てみたが。
 まだ買っていないのでだ、こう美冬に言った。
「早く選びなさいよ」
「ううん、今考えてるけれど」
「こういうのは即断即決よ」
「智恵ちゃん決断も早いわよね」
「迷っても仕方ないでしょ」
「だからすぐにキャッチャーとしてもなのね」
「そう、すぐにね」
 まさにというのだ。
「即決でね」
「リードも決めるのね」
「迷ったらド真ん中は論外でも」
「それ絶対に打たれるからね」
「相手も試合の状況も見て決める」
 即座にというのだ。
「そうするけれど」
「その決断は早くね」
「そういうことよ、それでね」
 智恵はさらに言った。
「あんたはじっくり考えるにしても」
「決めることは早くね」
「そうしなさい、いいわね」
「それじゃあ」
 美冬も智恵の言葉に頷いてだった。 
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