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星河の覇皇

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第六十九部第五章 分権派の警戒その九

「今回も同じだ」
「手を結ぶにしても」
「それでもですね」
「自分が有利な様にする」
「そうしていきますね」
「今回もな、食えない」 
 実にというのだ。
「伊東首相はな」
「では、ですね」
「今回の件は一日置き」
「そしてですね」
「また明日ですね」
「話す、アメリカと中国はだ」
 この両国はというと。
「四国だ」
「それで、ですね」
「会談したいのですね」
「両国は」
「両国とは話がついている」
 アメリカ、そして中国とはというのだ。
「それでと思ったが」
「ここで日本は、ですか」
「六国での会談を提案ですか」
「非公式、内密のものですが」
「それを言ってきたのですね」
「おそらくだ」
 ここでだ、グリーニスキーは考える目になってだ。彼の前に控える官僚達にこう言った。
「伊東首相は既にブラジル、トルコを抱き込んでいる」
「そして三国が主導で、ですね」
「今回のことを進めていきたい」
「中央政府に対していきたい」
「そう考えているのですね」
「私と同じ考えだな」
 グリーニスキーはこうも言った。
「私も同じ考えだからな」
「アメリカ、中国と共にですね」
「三国で主導権を握る」
「そして中央政府に対していく」
「そう考えていましたね」
「四国会談ならだ」
 ロシアがアメリカ、中国を抱き込んでいるからだというのだ。
「日本にこれで認めさせられた」
「三対一ですから」
「それが容易ですね」
「そして他国に話せば」
「それで話が決まっていましたね」
「そうだった、しかしだ」
 グリーニスキーはこうも言った。
「日本も日本でだ」
「既にですね」
「話をつけていますか」
「ブラジル、トルコと」
「それで二国をというのですね」
「全く以て狐だ」
 また伊東をこう評する。
「それも厄介な、な」
「頭の回る」
「味方につければ頼りになりますが」
「敵になれば厄介ですね」
「それもこれ以上はないまでに」
「難敵ですね」
「あの首相は敵に回した時の方が印象に残る」
 グリーニスキーはこうも言った。
「むしろな」
「確かに。味方だと頼りになるという位ですが」
「これで心強い味方を得たとです」
「そう思いますが」
「しかしですね」
「敵になると確かにです」
 官僚達も伊東についての印象を話す。 
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