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星河の覇皇

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第六十九部第五章 分権派の警戒その八

「中央政府にあたりましょう」
「それでは」
「四国首脳会談を行いますね」
「そう考えています」 
 ここでこう答えたグリーニスキーだった。
「是非共」
「そうですか」
「それで宜しいですね」
「四国でもいいですが」
 伊東は微笑んだままだ、グリーニスキーに話した。
「しかし」
「それでもですか」
「六国はどうでしょうか」
「六国ですか」
 ここでだ、グリーニスキーは心の中で思った、伊東のその微笑を見ながら。
 伊東はまた何か企んでいる、テレビ電話の中の彼女を見て思ったのだ。
「それはまた」
「駄目でしょうか」
「そうですね」
 内心この女はまた考えているなと思いつつ述べた。
「それも悪くないですが」
「それでもですか」
「はい、四国の方がいいのでは」
 こう伊東に返した。
「まずは我々とです」
「アメリカ、中国を入れて」
「四国でお話をしませんか」
 伊東に柔和な顔で話した。
「ここは」
「それもいいですが」
 伊東は笑みのまま返した、内心予想通りと思いつつ。
「やはりです」
「六国ですか」
「それがいいと思いますが」
「それはどうしてでしょうか」
「重要な案件です」
 それ故にとだ、伊東は返す。
「ですから」
「ここは四国よりも」
「トルコ、ブラジルを入れて」
 そしてというのだ。
「六国でお話しましょう」
「そう言われますか」
「如何でしょうか」
「そうですね」
 グリーにスキーも仮面を被っている、そのうえでの返事だ。
「少し考えますか」
「お互いにですね」
「そうしますか」
「一日でも」
「そうしましょう」
 内心舌打ちもしつつだ、グリーニスキーは伊東に返した。
「その一日で、です」
「お互いに決断を出して」
「明日決めましょう」
「それでは」
 一旦ここでだ、お互いに話を止めた。
 そしてだ、グリーニスキーはテレビ電話を切ってからだった。傍に控えていた官僚達にこう言ったのだった。
「相変わらずだな」
「伊東首相はですね」
「あの方は」
「頭がいい」
 シニカルにだ、この言葉を出した。
「狐だ」
「まさにですね」
「あの方はいつもそうですね」
「狐ですね」
「それも九尾の狐ですね」
「笑顔ではある」
 それは見てのままだった。
 しかしだ、その笑顔はというのだ。
「しかしその笑顔は仮面でだ」
「その実はですね」
「その仮面の下であれこれと考えていますね」
「絶妙なまでに」
「そうしていますね」
「そして日本の為に動いている」
 日本の首相として、というのだ。 
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