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星河の覇皇

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第六十九部第五章 分権派の警戒その七

「我が国よりも豊かだ」
「産業も盛んですし」
「それで、ですね」
「我が国より豊かですね」
「国力が大きいです」
「長い間」
「しかし抜けるのならな」
 国力で、とだ。グリーニスキーは話した。
「いざな」
「はい、抜けるのならですね」
「日本もですね」
「抜く」
「そうしますか」
「必ずな、しかしだ」
 それでもと言うのだった。
「そう簡単な相手でもないがな」
「日本はですね」
「そう簡単に抜かせてくれる相手ではないですね」
「中々以上に手強いです」
「強かな相手です」
「一見すると弱い」
 こうもだ、グリーニスキーは言った。
「あの国はな、しかしだ」
「弱い様で、ですね」
「柳の様に折れないですね」
「そして粘る」
「そしてやたら小細工を弄してきます」
 これはロシアから見た評価だ、この国はこの時代でも外交においては力技一辺倒なところがあるのだ。アメリカや中国以上に。
「ですから」
「それで、ですね」
「あの国はですね」
「厄介ですね」
「強いです」
「そう簡単に抜かせてくれないです」
「そうした国だ、まずは日本を超えないといけないが」
 しかしというのだ。
「いきなり最大の難関だ」
「地道にいくしかないですね」
「日本に追いつき追い越す国力を備える」
「そうすべきですね」
「まずは」
「気長にいくことだ」
 日本を越える国力を備えるというのだ。
「ここはな」
「はい、それでは」
「ここは、ですね」
「開発、開拓を行いですね」
「国力を増強していきましょう」
「是非共」
「そうしていきましょう」
 閣僚達も応える、そしてグリーニスキーは実際に各国の首脳達に彼自身が動いて話の場を持った。そしてだった。
 無論日本、ロシアがさしあたって追い越すべきと定めているこの国の首相である伊東とも連絡を取った、その伊東の反応はというと。
「喜んで」
「そうですか」
「はい、こちらも実はです」
 穏やかな笑顔でだ、伊東はモニターの向こうのグリーニスキーに返した。
「大統領にお話したいと思っていました」
「そうでしたか」
「中央政府の暴走に至ればです」
 その笑みのままだ、グリーニスキーに話すのだった。
「各国政府が脅かされます」
「だからですね」
「はい、そうです」
 その通りだという返事だった。
「このことは」
「協力して頂けますね」
「各国が手を結び」
 そしてというのだ。 
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