八条学園騒動記
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第四百九十八話 朝風呂でその十二
「だってね」
「ウィルスも生きものだから」
「必ず弱点があって」
「ワクチンも開発出来るわね」
「伝染病で人類が滅亡するっていう予言は多いけれど」
この時代の連合ではシャバキが時折電波を受信して喚き散らすことがある、とはいってもシャバキが喚く人類滅亡の原因はこれだけではないが。
「これもね」
「解決出来ない伝染病とかね」
「絶対にないわ」
プリシラは桶の冷水を浴びつつ断言した。
「例え何があってもね」
「絶対によね」
「解決出来るわ」
「伝染病なら」
「ええ」
その通りだというのだ。
「絶対によ」
「解決方法がね」
「あるわ。天然痘もペストも」
かつて猛威を振るったこの伝染病達もというのだ。
「解決出来たわね」
「ええ、どっちもね」
「沢山の人が死んだけれど」
ペストでは当時の応酬の人口の三分の一が死んだという、歴史に残る最悪の伝染病の流行であろうか。
「それでもね」
「解決出来たわね」
「解決出来ない伝染病、ウィルスは」
「絶対にないのね」
「ある筈がないわ」
プリシラはまた言い切った。
「だからそれでの人類滅亡もね」
「ないのね」
「絶対にね」
プリシラはまた絶対にと言った。
「そんなことは有り得ないしゾンビも」
「ゾンビにするワクチンも」
「出来るわ」
「そうなるわよね」
「病気で人類が滅亡することは」
よく予言の本で言われるもっと言えば喚かれる様な主張はというのだ。
「絶対にないわ」
「そうよね」
「確かに病気で絶滅した生きものはいるけれど」
中にはそうした事例もある、地球の恐竜達にしても何らしかの伝染病で絶滅したという説があったりする。
「それでもね」
「人類は違うのね」
「医学という叡智があるわ」
「だからよね」
「人類が病気で滅亡することは絶対にないわ」
「医学がそれを防ぐのね」
「ええ。何度も大変なことにもなったけれど」
ペストだけでなくコレラも流行したことがあるしマラリアでも多くの人が命を落としている、エイズや梅毒、エボラも恐れられた。
「絶対にね」
「ワクチンが開発されて」
「人類は滅亡しないわ」
「どんなウィルスでも」
「ゾンビになっても」
映画のそうしたウィルスに対してもというのだ。
「絶対によ」
「ウィルスが開発されて」
「救われるわ。星の滅亡も」
「そのクラスもなのね」
「有り得ないわ、退治出来ない病原菌はないから」
「そうよね」
「人類はこれは伝染病じゃないけれど」
こう前置きしての言葉だった。
「癌だって克服したでしょ」
「あの病気もよね」
「そうしたから」
勿論白血病もだ、人類はこうした難病も克服しているのだ。
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