| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十八話 大坂に戻りその三

「あの街のな」
「寺や商人が多いな」
「そや、神社も多いけどな」
「寺だよな」
「それが一番多くてな」
 それでというのだ。
「寺の僧兵が街を護ってるんや」
「そうだな、あそこは」
「この僧兵が強い」
「だから街を護っていられるな」
「そや、ちなみに堺はな」
「商人達が浪人達を雇ってだな」
「街を護ってる」
 この街はそうしているというのだ。
「そうしてるわ」
「そうだな」
「けど自分は僧兵も傭兵もやな」
「どちらも不要だ」
 英雄は耕平の問いにきっぱりと答えた。
「俺が欲しいのはだ」
「自分の兵やな」
「そうだ、政権を立てるが」
「軍事力は全部やな」
「俺の下に置く」
 つまり自分達の政権にというのだ。
「そうしてだ」
「その軍勢でやな」
「戦ってだ」
 そうしていってというのだ。
「島を統一してな」
「そのうえでやな」
「世界を救う、だからだ」
 それでというのだ。
「俺は寺や商人からだ」
「兵は貰うか」
「そう考えている」
「それがいいわね」
 奈央もこう言ってきた。
「やっぱり」
「そうだな、兵はだ」
「私達の手に集める」
「全ての兵達をな」
「そしてよね」
「言った通りだ、戦っていく」
 こう言うのだった。
「武士でも僧兵でもな」
「手に入れていくのね」
「そうする、だから寺や商人が兵を持っていれば」
「彼等から貰うのね」
「僧兵にしてもな」 
 それぞれの寺が持っている者達もというのだ。
「そのままでは難しいが」
「それでもよね」
「兵は全て俺達で持つ」
「それじゃあ旗揚げしたら」
「僧兵達も侍達も全てな」
 ここでは僧兵達が念頭にあった、大坂には彼等が多いからそうなった。
「兵に入れたい」
「そして兵を集め」
「武具も揃える」
 こちらもというのだ。
「鉄砲も槍も弓矢もな」
「具足もよね」
「無論だ、全て集めてだ」
 そのうえでというのだ。
「いざとなれば戦をする」
「おう、ただ戦はのう」
「最後だ」
 英雄はまた当季に答えた。
「あくまでな」
「そうじゃのう」
「戦をするのは最後だ」
「どうしても降らん相手をじゃな」
「降す、それ以外ではな」
「みだりに戦はせんか」
「武をみだりに使うと負ける」
 最後はそうなるというのだ。
「戦えば無傷でいられないからな」
「どんな勝ち方でものう」
「だからだ」
「戦はするつもりはないか」
「積極的にはな、降る相手はそのままだ」
 まさにというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧