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レーヴァティン

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第八十八話 大坂に戻りその二

「大坂城をな」
「大坂城を築き」 
 智も言ってきた。
「そこを拠点としてでござるな」
「この島を統一していく」
「いよいよそうするでござるな」
「俺達の拠点はあそこしかない」
 大坂そして大坂城だというのだ。
「商業が栄え川が多くな」
「守りにも適しているでござるな」
「水運もいい」
 これもというのだ。
「しかも都にも近い」
「しかも城を築けば」
「難攻不落な巨城を築ける」
 そうした城がというのだ。
「島全体を治められるな」
「だからでござるか」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「俺は旗揚げそして島全体を治める場所はだ」
「大坂と考えていたでござるな」
「この島にいるうちにな」
「大坂が一番いいとですな」
「確信した、だからだ」 
 それでというのだ。
「まずは大坂だ」
「そこに戻るでござるな」
「そして旗揚げをしてだ」
 そのうえでというのだ。
「城も築いてな」
「島を統一するでござるな」
「そうする、だが城を築くことは後でいい」
 本拠地となる大坂城、この城はというのだ。
「屯所なり何なりに入ってな」
「ああ、新選組みたいにな」
 当季は屯所と聞いてこう言った。
「そこに入ってか」
「暫くはそこに寝泊りしてだ」
「拠点にしてぜよ」
「そうして大坂の街を掌握してだ」
「周りもじゃのう」
「全部手に入れてだ」
 そうしてというのだ。
「一角の勢力になる」
「そうじゃな」
「旗揚げをしてからな」
「じゃあわし等の旗揚げは屯所に入ってからか」
「そこからだ、屯所は何処でもいい」
 それはというのだ。
「別にな」
「大坂ならじゃな」
「どの場所でもいい」
「粗末な場所でもでありますか」
 今度は峰夫が言ってきた。
「そうでありますか」
「ああ、別にいい」
「要は場所でありますな」
「屯所として、大坂を掌握しやすい場所か」
「それが大事でありますな」
「そうした条件が整っているならだ」
 それでというのだ。
「充分だ」
「粗末であっても小さくても」
「別にいい」
 こう言うのだった。
「俺はな」
「ではでありますな」
「大坂に戻ればまずは屯所を探し」
「そこで旗揚げをして」
「大坂を完全に手中に収めるが」
 ここでだ、英雄はこうも言った。
「しかしな」
「大坂の状況がどないかや」
 耕平も応えた。 
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