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レーヴァティン

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第八十八話 大坂に戻りその一

               第八十八話  大坂に戻り
 英雄達は十二人の仲間が全員揃うと一旦大坂に戻ることにした、英雄は一行に大坂まで船で戻ることを提案した。
「船の方が速い」
「そうなんだよね」
 その英雄に桜子が応えた。
「陸地から歩くか馬で行くよりもね」
「昼も夜も進める」
「陸地じゃ寝てたら進めないしね」
「しかも船足も速い」 
 歩くよりもというのだ。
「だからだ」
「大坂には船でだね」
「戻ってだ」
 そうしてというのだ。
「旗揚げに入る」
「そういうことだよね」
「そうだ、それでいいか」
 英雄は桜子だけでなく他の仲間達にも尋ねた。
「船で戻って」
「いいと思います」
「拙僧も」
 謙二と良太がまず答えた。
「船の方が速いのは事実です」
「特に風に乗れば早く到着出来ます」
「それに魔物も湖の方が遥かに少ないですし」
「スムーズに行けます」
「我もいるしな」
 幸正も言ってきた。
「船、水のことなら任せてくれ」
「そうだ、御前もいるからだ」
「船でと提案しているな」
「そうだ」
 その通りという返事だった。
「俺もな」
「そうだな、ではな」
「船だ、船を使ってだ」
「大坂まで戻り」
「旗揚げに入るぞ」
 他の者も反対しなかった、皆すぐに戻るのなら船が一番だとわかっていた。一応空船もあるがこちらはというと。
 愛実がその空船に対して英雄に話した。
「機会をあらためて空船も買うっちゃな」
「そうする、だがな」
「空船あるところ少ないっちゃよ」
「数もな」
「精々堺位っちゃ」
「西の島でも同じだ」
 久志達がいるその島もというのだ。
「限られた港にしかない」
「空港にっちゃな」
「そしてその数もな」
「少ないっちゃな」
「かなりな、しかもだ」
 それに加えてとだ、英雄はさらに話した。
「高価だ」
「普通の船の何十倍もするっちゃ」
「下手したら百倍だ」
 そのまでの価値があるとされているというのだ。
「それだけだからな」
「今は手が出ないっちゃな」
「しかもこの辺りでは売っていない」
 一行が今いる江戸やその近辺ではだ、確かに空船は一隻も打売っていない。それではどうしようもなかった。
 だからだ、一行もここはだった。
 船で行くことにした、それで早速だった。
 港に戻り船に乗り込んだ、幸正はその船を動かしつつ一行に言った。
「ではな」
「今からだな」
「大坂に行くぞ」
「ああ、頼む」 
 英雄が幸正に応えた。
「今からな」
「大坂に戻ってだな」
「旗揚げだ、そしてだ」
「大坂にだな」
「城を築く」
 英雄はこうすることも話した。 
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