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レーヴァティン

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第八十七話 上からの改革その十二

「そうそう簡単にはな」
「そうした店はなくならないでか」
「存在している、しかもあちらの世界は女用もあるな」
「あるな、確かに」
「そうした店に行ってもだ」
 女達がというのだ。
「構わないだろう」
「そうなるか」
「そうだ、それで俺もだ」
「性欲があるからか」
「それも気付いたが」
 あちらの世界でそうした店に入ってだ。
「かなりだ」
「ああ、どう見てもな」
「俺の性欲はな」
「それで一晩に何人も相手にしているんだな」
「何度もな」
「すげえな、じゃあ千人斬りやるか?」
 久志は笑って英雄にこうも言った。
「そうするか?」
「悪くないな」
 英雄は真顔で応えた。
「それも」
「おい、そこでそう言うのかよ」
「それもまた生き方だ。いや」
「いや?」
「むしろそこまで出来ればだ」
 千人斬り、それをというのだ。
「尊敬出来るな」
「じゃあ目指すのかよ」
「考えている」
 それも真剣にだ。
「今そうなった」
「やれやれだな、しかしな」
「病気にはだな」
「あっちの世界でも気をつけろよ
「その言葉確かに聞いた」
 英雄も確かな声で答えた。
「危なそうな女にはな」
「ああ、それで万が一の時にはな」
 罹ってしまった時のこともだ、久志は忠告した。
「薬を飲んでな」
「すぐにだな」
「治せよ」
「そうする、ではな」
「ああ、これからだな」
「俺の世界でのことを話す」
 久志にあらためて話した。
「そうする」
「頼むぜ」
「俺も旗揚げが出来た」
 そうなったというのだ。
「無事にとは言えないがな」
「色々あったんだな」
「だがそれでもだ」
「旗揚げ出来たんだな」
「そのことを話させてもらう」
 かくして今度は英雄が語りはじめた、彼のあちらの世界での出来事を。それもまた非常に大きな出来事だった。


第八十七話   完


                    2018・10・23 
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