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星河の覇皇

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第六十九部第四章 国境外縁部その四十六

「あまりです」
「モンゴルだから」
「我が国はお世辞にも連合全体では進歩がいいかというと」
 それはというのだ。
「違いますので」
「だからですか」
「はい、大国とは違います」
 モンゴルはというのだ。
「連合の中では技術的に進んでいなかったので」
「私はそうは思わないですが」
「いえ、モンゴルにいますと」
「どうしてもですか」
「そのこと感じました」
「技術的にですか」
「はい、モンゴルは遅れています」
 連合の中でというのだ。
「そうした国です」
「そうなのですね」
「草原地帯がおく」
「遊牧ですね」
「産業はありますが」
 工業や農業、そして最先端技術のそれもあるのだ。しかしそれでもというのだ。連合全体から見たモンゴルは。
「地味でその産業も目立っていない」
「そうした国で、ですか」
「あまり目立っていません」
 どうしてもだ、そうなっているというのだ。
「軍の兵器もです」
「そちらもですか」
「大国と比べますと」
 この場合言うまでもなく八条の祖国である日本も入る。
「どうしてもです」
「低いですか」
「はい、技術のレベルが」
「そうでしたか」
「確か長官は日本軍におられて」
「モンゴル軍との交流ですね」
「それがあったのではないですか」
「日本軍としてはありました」
 八条も否定しない。
「私が防衛大臣だった時も」
「そうでしたね」
「ですが」
「そこまではですか」
「大臣の時こうした交流はしていませんでした」
 技術交流、それはというのだ。
「それに現役の軍人だった時も」
「そうした技術交流はですか」
「経ていませんでした」
「では艦艇等の兵器は」
「観ました、言われてみますと」
「遅れていましたね」
「それは感じましたが」
 しかしというのだ。
「本部長が言われる程強くは」
「遅れているとはですか」
「感じませんでした」
「そうですか」
「精々一世代位かと」
 その程度の遅れだったというのだ、八条が感じたそれは。
「おおよそ」
「そうでしたか」
「確かに連合内部でも技術格差はあります」
 同じ国であってもこうしたものは生じる、このことはどの国でもそうである。連合の場合は各国で主な産業が違ったりするのでそれぞれの産業に使う技術で格差があるのだ。
「しかし」
「それでもですか」
「連合の中です」
 同じ国の、というのだ。
「何十年も遅れていることは」
「そこまでは」
 バールもこう言う。 
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