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星河の覇皇

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第六十九部第四章 国境外縁部その三十

「それじゃあな」
「こうした目で見られるんですね」
「連合にいたら」
「危ない連中か、俺達」
「何時何をするかわからない」
「物騒な連中って認識ですね」
「ああ、だから憲兵の俺達もだ」
 軍隊内における警察組織であってもというのだ。
「そういう目で見られるんだ」
「憲兵でも難民」
「サハラの人間ってことですね」
「要するにそういうことですね」
「結局は」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「もうそうした目は気にするな」
「気にしないで仕事ですか」
「俺達の仕事しろってことですね」
「憲兵のそれを」
「普通に」
「ああ、もう意識するな」
 するだけ無駄だからというのだ、献杯の腕章を付けた彼等は義勇軍であることがわかる故に今も周りからそうした目で見られている。
 それでもだ、下士官は言うのだ。
「意識してもどうしようもない」
「それじゃあもう気にしません」
「周りは石とでも思います」
「もうそれこそです」
「何でもないとです」
「そうしろ、しかし規律が厳しいとな」
 下士官は軍規軍律の話もした。
「こうした時楽だな」
「ええ、トラブル起こす奴はいませんね」
「至って平和です」
「巡回してもそうした奴はいません」
「本当に皆すぐに帰ってますね」
「IPSにも変な反応はないしな」
 将兵の軍服の個々に装着している超小型の発信機だ、異常があればすぐに検査機に連絡がいくようになっている。
「機械の反応もない」
「ならですね」
「安心ですね」
「じゃあ見回って」
「後はですね」
「帰るか」
 港、そして彼等の艦にだ。
「そうするか」
「ですね、予定通り見回って」
「そうしてからですね」
「帰りますか」
「そうしますか」
「そうするか、帰ったら俺達もな」
 自分達のこともだ、下士官は兵士達に話した。
「酒飲むか」
「ですね、落ち着いて」
「港のバーに行って」
「そうしましょう」
「勤務時間の後で」
「俺達も飲まないとな」
 そうでもしないと、というのだ。
「ストレス溜まるからな」
「どうしてもですね」
「ストレスって溜まりますからね」
「ましてやこうした状況だと」
「余所者ですと」
「そうしたストレスは酒なりでな」
 兵士達に言う。
「発散させないとな」
「そうですね、身体は動かしてますし」
「トレーニングは日課ですしね」
 連合軍ではそれが定められている、ランニングなり水泳なりで軍人として身体を鍛えるように義務付けられているのだ。 
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