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星河の覇皇

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第六十九部第四章 国境外縁部その二十二

「よく正規軍からおかしな目で見られます」
「まさに異邦人を見る目で」
「それが偏見ですね」
「そのものですね」
「連合は人種の壁は越えている」
 だからこそ混血も進んでいる、連合は黄色人種白人種黒人種だけでなくアボリジニーの血も混血しているのだ。
「民族も宗教もだ」
「文明もですね」
「雑多ですか混ざり合い棲み分けも行われている」
「そうした国ですね」
「各国の衝突は多くとも」
「そうした壁はありませんね」
「そうだ、しかしだ」
 そうした偏見は乗り越えていてもというのだ。
「それは連合の中だけでのことだ」
「その外はですね」
「連合の外に対しては違いますね」
「明らかな壁がある」
「そうした国ですね」
「市民の国は市民以外は認めない」
 市民は認めてもというのだ。
「市民とはそうしたものだ」
「市の中、つまり壁の中にいる者達ですからね」
「そうした考えになりますね」
「連合はそうした国ですね」
「まさに」
「そうだ、市民という言葉は寛容さを表しているが」
 民主主義にあるそれをだ、民主主義は様々な意見を認めることが前提であるからだ。もっとも中には他人の意見を認めない民主主義者もいるが。
「同時に排他も表している」
「その意味もありますね」
「現実には」
「市民には寛容ですが」
「市民以外にはどうか」
「そうしたことにもなりますね」
「我々は連合の人間ではないからな」 
 まさにというのだ。
「ならばだ」
「連合の外にいる」
「連合にいてもですね」
「そうした者達ですね」
「市民ではないですから」
「そのこともわかった」
 義勇軍に入りというのだ。
「我々の生きる道は二つしかない」
「連合市民になるか」
「サハラに帰るか」
「どちらかですね」
「二つですね」
「帰るなら平和になってからだ」
 その時からだというのだ。
「サハラにはな」
「それは間もなくですね」
「後はオムダーマンかティムールか」
「どちらかのものになりますね」
「そうなりますね」
「そうだ、後は最後の戦いだ」
 統一の為のそれだというのだ。
「オムダーマンとティムールのな」
「そしてそれが終われば」
「サハラは一つになりますね」
「統一され」
「そうなりますね」
「そうだ、そうなるからだ」
 だからだというのだ。
「帰るならだ」
「平和になってからですね」
「サハラに帰りますか」
「これまで稼いだ金を持って」
「そのうえで」
「それが出来る、そして残るならだ」
 グータルズは今度は連合に残る場合について述べた。それは一体どういったものであるのかも言うのだった。 
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