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星河の覇皇

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第六十九部第四章 国境外縁部その二十

「システムを理解し逸脱していなければな」
「それでいいという軍隊ですね」
「弱兵であってもいい」
「そして名将もいらない」
「そうした軍隊ですね」
「そうだな、一九九〇年代頃の軍隊だな」 
 連合軍はというのだ。
「ソフトウェアよりもハードウェアで戦う」
「ソフトウェアはマニュアルを理解していて」
「システムの中で戦う」
「そうした軍隊であり」
「逸脱しませんね」
「そうだな、そうした軍隊か」
 また言ったのだった。
「ハードウェア重視、そしてシステムだな」
「そちらに重点があり」
「徹底的そこで戦う軍隊ですね」
「そうした軍隊にしたのはだ」
 それは誰かともだ、グータルズは言った。
「連合軍の各国軍はそうでだ」
「そしてですね」
「あの長官殿が定められましたね」
「八条長官が」
「あの方が」
「そうだろうな、あの長官殿は効率的に戦いだ」
 そしてというのだ。
「損害を最低限に抑える」
「そのうえで勝利を収める」
「如何なる場合でもですね」
「そして如何なる相手でも」
「それを出来る様にですね」
「ああした軍隊にしたのだ」
 徹底してシステム化した二十世紀に確立された近代国家の軍隊を踏襲し発展させた軍隊にしたというのだ。
「まさにだ」
「損害を抑え効率的に勝つ」
「如何なる場合でも」
「マニュアルを作成し」
「そうした考えのうえですか」
「考えてあるな」
 冷静な顔でだ、グータルズは言った。
「あの長官殿は辣腕家だしな」
「ですね、あそこまでの政治家はです」
「そうはおられません」
「あの方はです」
「そこまで考えられる方ですね」
「現場をよくご存知だ」
 非常にというのだ。
「それがよく出ている」
「その通りですね」
「では、ですね」
「我々もですね」
「そのシステムの中に入りますね」
「そして戦うことになりますね」
 幕僚達も言う。
「そしてどう戦うか」
「それが重要ですね」
「我々の訓練は激しいですが」
「正規軍よりも遥かに」
「我々は当時の軍隊で言うとだ」
 その一九九〇年代の軍隊だ、システム化された。
「海兵隊だな」
「真っ先に火事場に飛び込む」
「そして戦う軍隊ですね」
「常に戦闘状態にある」
「そうした軍隊ですね」
「そういうことだな、我々はシステムの中でだ」
 八条が定めた連合軍のそれである。
「そうした役割なのだ」
「徹底した精兵ですね」
「火事場に飛び込む」
「そうした役割ですね」
「連合市民でないしな」
 彼等自身はというのだ。 
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