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星河の覇皇

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第六十九部第四章 国境外縁部その十九

「兵の弱さをそれでカバーする」
「そうして戦う」
「我等戦争を知っている者を先陣にも置き」
「それが連合軍ですか」
「兵の強さで戦う軍隊ですね」
「それも一つのやり方ではあるな」
 また言ったグータルズだった。
「考えてみると」
「どうにもですね」
「連合軍には思うところが多くとも」
「それでもですね」
「精鋭ではなく数や物資、装備で戦うやり方もです」
「一つのやり方ですね」
「システムでな」
 そうしたものを総合してだ、グータルズはシステムと表現した。
「戦うやり方もあるな」
「戦術戦略もですね」
「マニュアル化して」
「そして個々の将兵の強さとは別ですね」
「将帥の資質ではなく」
「そうしたもので戦うことも」
「またやり方ですか」
 幕僚達も言うのだった。
「近代戦というものですか」
「二十世紀に確立された」
「連合軍はそれを受け継いで、ですか」
「精兵や将帥の資質よりもですね」
「システムで戦うものですか」
「徹底的に合理化され臨機応変も整っているシステム」
「それで戦う軍隊」
 まさにそれがなのだ。
「連合軍なのですね」
「この軍隊ですか」
「精鋭や名将を求めていませんか」
「連合軍は名将ではなく凡将を求めている軍隊ですね」
「要するに」
「連合軍はマニュアルを頭に入れ忠実に実行する将帥を欲している」
 智将猛将や名軍師ではなくというのだ、勿論名将もだ。
「普通の提督であり幕僚だ」
「システムの中にいる」
「そうした人材ですか」
「言うならば画一化された」
 まさにというのだ。
「そうした将帥達でだ」
「それで、ですか」
「戦い勝つ」
「犠牲も最低限に抑えて」
「近代国家の軍隊か」
 グータルズはまた言った。
「まさにな」
「そうですね、連合軍は」
「あの時代の軍隊ですね」
「システムで戦う」
「そうした軍隊ですね」
「サハラは違う」
 グータルズは彼等の国のことも話した。ここではサハラを一つの国として考えている。少なくと文明圏としては同じだ。
「名将、そして精兵で戦う」
「システムもありますが」
「それでもですね」
「連合軍程システムが重要ではない」
「最重要ではですね」
「ありませんね」
「サハラは」
「エウロパもだ」
 この国もというのだ。
「システムが最優先ではない」
「そうですね」
「サハラもエウロパもです」
「システムはあってもです」
「連合軍程徹底していません」
「連合軍はシステムで戦う軍隊です」
 マニュアルやそうしただ、能率化され効率化された軍隊であるというのだ。それが連合軍だというのである。
「凡将、弱兵であろうとも」
「システムの中にいてですね」
「そのシステムの中で戦う」
「そうした軍隊ですね」
「まさに」
「そこが違うな」
 腕を組みだ、グータルズは言った。 
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