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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。

作者:エギナ
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第一部
  第17-2話 新年魔法大会【開幕】

 一舎の選手に割り当てられた席に向かうと、その途中、オレンジ色の髪をした看守が話し掛けてきた。

「よォ、黒華。其奴等が代表なんて、一舎も堕ちたもんだなァ」
「はぁああ? 御前の目はついに腐っちまったのかぁ? なぁ、橙条」
「何……?」

 両者の視線の間に火花が散る。
 そのため、俺達が気まずそうにしていることに、琴葉が気付いていない。

「だいたい、御前が主任になった時点で二舎はもうアウトなんですぅぅうう‼︎ 一舎に勝てるわけないんですぅぅうう‼︎ 看守だってこの第一魔法刑務所最強、ワンチャン魔法を使う者の中でいっちばん強い私が主任なんだしぃいい⁉︎ 囚人だってエリートばっかじゃないですかぁ‼︎」
「囚人にエリートもクソもねェだろうが‼︎ それに、手前ンとこの囚人は脱獄のエリートだろうが‼︎ 実力なんか底辺中の底辺で、エリートから一番遠く離れた奴らばっかだろ‼︎」
「黙れクソ野郎‼︎ 少なくとも御前よりは頭いいわ‼︎」
「ンだとクソ野郎‼︎」

 と、次は青い髪の看守が来て。

「よー! こっちゃん!!」
「うるさい、青藍‼︎ こっちはこの阿呆の相手に忙しいの‼︎」
「ンだと!?」

 喧嘩するほど仲が良いという言葉があるが、此奴等は絶対無いなと確信する。
 これ、放っておいて大丈夫なのか?

「御前、髪の毛くるくるさせちゃってさぁ⁉︎ 女子ですかぁあああ⁉︎ 暇人ですかぁああああ⁉︎ いいですねぇえ仕事が少なくてええええ‼︎‼︎ カスみたいな看守になんか、仕事は回ってこないもんねぇええええ‼︎ こっちなんて優秀すぎて、仕事がどんどん来て今五徹目ですけどぉおおお⁉︎」
「え、こっちゃん寝たほうがよくない? あと、まーさん女性には優しくしないとモテないよ」
「どっちとも黙れクソが‼︎」
「語彙力なさすぎワロタなんですけどー‼︎ ずっとクソしか言ってないじゃんばっかじゃないのさっすがクソ橙条だわぁプークスクス‼︎‼︎」
「手前だって変わんねェだろうがクソ黒華‼︎」

 と、また白髪の看守が来る。朝の開幕式の司会をやっていた人だ。

「貴様等、うるさいぞ。もう競技が始まるのだ。早く準備をしろ」
「あ"ー!? 御前、リーダー気取りかゴラアア!!」
「まーさんうるさっ」

 四人の看守の間で、早速火花が散っている。喧嘩するほど仲が良いという言葉があるが、この四人の場合、仲が良いと言う事は無いだろう。青い髪の人と琴葉が仲良い説はあるが。

「今年はぜってェ負けねェ」
「はぁ? 御前、この中で最弱でしょうが」
「そーだそーだー! まーさん一番弱いでしょー」
「そうだな。貴様が私達に勝つなど、千年早い」
「なんだそれッ!? 今年は勝つんだよ!」
「「「無理だな」」」
「クソが!!」
「ほんと語彙力なさすぎー大人としてどうなんですかー‼︎」
「黒華、貴様も一人の女性としてどうなんだ? って嗚呼済まない。貴様は男だったな」
「ざっけんな‼︎」

 グレース達にそっと目配せをして、出場者席に向かおうと伝える。三人も同じ気持ちだった様で、呆れた様な顔をしながら頷く。
 音を立てない様に静かに看守の後ろを通り過ぎようとすると、突然腕を掴まれた。

 後ろを見ると、白髪の看守が真剣そうな顔で、こちらを見ていた。その後ろで他の三人が喧嘩している。


「貴様等は今日の大会で、苦渋の決断を強いられることになるだろう。今の内に、自分の命か、黒華の命、どちらを救うか、決めておく事だな」


 ―――その言葉の意味を理解するまで、あと五時間。


……というか、急に冷静になるのツボるから本当にやめてほしい。


 
 

 
後書き
今日はもう一話投稿します! 
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