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レーヴァティン

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第八十三話 ローマに戻りその九

「それこそね」
「そうだろ、俺達十三人だとな」
「ちょっとやそっとの勢力は降せるし」
「ドラゴンや巨人を一人で倒せるんだぞ」
 それだけの力がここにいる全員に備わっているからだというのだ。
「だったらならず者位何でもないだろ」
「謀略だってね」
「刺客も毒もだろ」
「何とでもなるわ」
 留美はこちらのことも即刻答えた。
「毒は解毒の術でどんなものでも解毒出来るし」
「刺客なんて寝ててもやられないだろ」
「それだけの強さよ、全員ね」
「だったらな」
「謀略も怖くないし」
「ローマ位は俺達だけでまとめられてな」
 久志はさらに話した。
「そしてだよ」
「それからも」
「後は俺達がどう政治をして軍勢を動かしていくか」
「それが問題だからね」
「バチカンなり他の勢力の力はいらないわ」
「そうだよ、俺達だけでローマをまとめてそこからな」
 そのローマを拠点にしてとだ、久志は言葉を続けた。
「勢力を拡大していくからな」
「私達の力で」
「他の力はいらない、だから旗揚げもな」
「何処の勢力の影響も受けないあんたのお屋敷からね」
「はじめような、ローマに戻ったら」
 それこそすぐにというのだ。
「すぐに俺の屋敷に入ろうな」
「そうして旗揚げね」
「いよいよな、それにな」
 ここで笑みになってだ、久志はこうも言った。
「奥さんにも会えるしな」
「それもっていうのね」
「ああ、嬉しいぜ」
「新婚さんだしね、あんた」
「こっちの世界じゃな」
「それだけにね」
「やっと家に帰られるんだ」
 久志は笑顔で話した。
「本当にな」
「嬉しいのね」
「それ自体がな」
「そうよね、こっちの世界でもね」
「結婚するといいってな」
 このことがとだ、久志は留美に話した。
「よくわかったぜ」
「実際に結婚して」
「ああ、こういうのは実際にしてみないとな」
「わからないのね」
「家に帰って誰かいる」
 このことはというのだ。
「そして帰る家がある」
「そのことが」
「本当にいいんだよ、俺神戸にいてな」
 久志は起きた世界のことも話した。
「それで家から学校に通ってるけれどな」
「そっちじゃ家族いるのよね」
「親父とお袋、妹達もいるぜ」
「妹さんいるの」
「三人な」
「多いわね」
「ああ、四人兄弟の一番上なんだよ」
 仲間達にこのことも話すのだった。
「これが結構大変だぜ」
「末っ子の方が大変っていうけれどね」 
 剛は一番上とは正反対のことを言ってきた。
「世の中ね」
「そうなのか?」
「何でもね。服はお下がりばかりでね」
「ああ、一番下だからそうなるよね」
「それで色々言われて」
「親御さんにもご兄弟にもか」
「大変っていうけれどね」
 こう久志に話すのだった。 
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