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レーヴァティン

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第八十三話 ローマに戻りその十

「実際どうかな」
「さあな、俺は一番上だからな」
 先程話した通りにとだ、久志は剛に答えて述べた。
「だからな」
「末っ子の人のことはわからないんだね」
「ちょっとな、しかしな」
「しかし?」
「家庭の話に戻すけれどな」
「うん、奥さんがいるとだね」
「やっぱりいいぜ」 
 ここでも笑顔で言うのだった。
「本当にな」
「寮にいても賑やかだけれどね」
「寮は寮でそうだけれどな」
「家族はだね」
「また違うんだよ、勝手知った仲だからな」
 それだけにというのだ。
「暖かいぜ、まあ俺こっちの世界じゃ殆ど家に帰ってないけれどな」
「冒険していたでござるからな」
 進太はそれは仕方ないと話した。
「やはり」
「そうだよ、それでな」
「結婚されたでござるが」
「奥さんには悪いけれどな」
 妻のハンナの顔を思い浮かべての言葉だ、思い浮かべた妻の顔は可愛らしい笑顔であり香りもしたがその香りは薔薇のものだった。
「それでもな」
「このことはだね」
「ああ、やっぱりな」
 どうしてもというのだ」
「仕方ないか」
「うん、この世界にいるとね」
「どうしてもな」
「僕達がしないといけないことだったからね」
 冒険はというのだ、久志が十二人の仲間を集める為のそれは。
「だからね」
「仕方ないな」
「うん、そうだよ」
 剛はアクアパッツァの中にある大蒜とプチトマトを食べつつ答えた、白ワインとオリーブで味付けされていてしかも魚のダシも出ていて美味い。
「このことはね」
「そうだよな、けれどな」
「奥さんに久し振りに会える」
「これが嬉しいな、じゃあな」
「会ってだね」
「久し振りに色々話してな」
 ここでこうも言った久志だった。
「夜もな」
「それ一番大きいかな」
「やっぱりあれだろ、結婚して一番いいのはな」
 久志は仲間達に真剣な顔で話した。
「夜だろ」
「それダイレクトに言ったらあかんやろ」
 美奈代は酒を飲みつつ久志に突っ込みを入れた、魚料理なので白ワインだ。それも甘口のものである。
「幾ら何でも」
「女の子もいるからだよな」
「そや、それにそんな話聞いたらな」
「聞いたら?」
「うちかて結婚したなるわ」
 久志に笑いながら話した。
「どうもな」
「何だよ、そっちもかよ」
「結婚してな」
 そしてというのだ。
「旦那さんと暮らしたいな」
「そうしたらいいだろ」
 これが久志の返事だった。
「俺も反対しないしな」
「リーダーとしてやな」
「ああ、結婚をしたら駄目とかな」
 そうしたことを言うことはというのだ。
「俺は考えたことないしな」
「結婚の自由やな」
「それはな」
 まさにというのだ。
「国政としてな」
「していくねんな」
「こっちの世界身分あるけれどな」
「貴族がおってな」
「基本な」
 法律としてはというのだ。 
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