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レーヴァティン

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第八十三話 ローマに戻りその七

「その思想が今の日本より遥かにましだからか」
「共産主義の中でも変に歪になってるの受けてないから」
「スターリンや北朝鮮とか入った」
「そういうのじゃないから」
 それでなのだ。
「まだましなのよ」
「じゃあ屑教師も少ないか」
「むしろ今の日本が異常よ」
 問題のある教師があまりにも多いのだ。
「本当にね」
「そうだな、けれど屑教師はな」
「どんどんクビにして」
「懲罰大隊に入れるか、屑親もな」
「子供殺すから」
「だからな、そうした親もな」
 所謂DV親もというのだ。
「子供は孤児院に預けた方がいいだろ」
「そうよね、変な親に預けるより」
「そうした施設も用意してな」
 孤児院にというのだ。
「ちゃんとな」
「先生も親も何とかしないと」
 清音も言ってきた。
「駄目ってことね」
「俺ああいう話嫌いなんだよ」
 久志は清音に眉を顰めさせて話した。
「暴力教師とか虐待親とかな」
「それでなのね」
「そうした奴は絶対に放っておけなくてな」
「この世界では処罰したいのね」
「起きた世界でも出来たらいいのにな」
「法律の改正が必要よ」 
 清音はアクアパッツァの味を楽しみつつ久志に答えた。
「そうしたいなら」
「あっちの世界だとな」
「そうしないとね」
「こっちの世界より実現が難しいか」
「政治家になって公約として主張して」
 暴力教師やDV親への対応を定める、そのことを考えるとというのだ。
「それで議会に出して法案として通過させるか」
「政治家に訴えるか、か」
「どっちにしても政策として出すか出してもらうかして」
「議会を通過しないと駄目だよな」
「衆議院と参議院をね」
 その両方をというのだ。
「そうしないとね」
「手間と時間がかなりかかるな」
「そうね、けれどね」
「それでもだよな」
「それが私達の、今の日本の政治よ」
「そうだな、けれどな」
 久志は自分達の本来の世界の政治を聞いたうえで自分達の世界の政治に戻って述べた。その政治はというと。
「俺達が旗揚げしたらな」
「色々と勢力や状況を見てだけれどね」
「思う政治が出来るな」
「そうよ、ただね」
「それがこの島にいい政治かどうかだな」
「若し悪政や失政になるなら」
 その場合はというと。
「結果としてね」
「この島を駄目にしてしまうな」
「善政と思って為した政策が悪政になる」
「よくある話だな」
「善行が常に善行になるのなら」
「世の中こんな簡単なことはないよな」
 久志も清音のその言葉に頷いて述べた。
「それこそ」
「そうよ、現実は複雑怪奇よ」
「だからな」
「よかれと思って為したことが悪い結果となる」
「政治でもそうだよな」
 無論逆もある、天使が悪行を犯すこともあれば悪魔も善行を為すことがあるのが世界というものだ。
「だからか」
「そこまで考えてね」
「広く遠くまで見てか」
「やるべきよ」
「政治はね」
 剛も言ってきた。 
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