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レーヴァティン

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第八十三話 ローマに戻りその六

「アホな奴がアホな商売教えるとな」
「駄目だよな」
「それだけであかん」
 まさにというのだ。
「そやからな」
「俺の言うことに賛成か」
「そや、まあ無能な教師はな」
「まだましか」
「けれど屑はな」
「どうしようもないよな」
「そや、無能はまだ配置転換とかで何とでもなる」
 その仕事で無能であるだけだからだというのだ。
「まだな、けどな」
「屑は違うよな」
「屑は屑でしかないわ」
「どうしようもないからな」
「世の中生きてたらあかん屑もおる」
 この現実をだ、美奈代も認識していて言うのだった。
「ほんまに外道がな」
「そうした奴はね」
 留奈も言ってきた。
「どうにもならないからね」
「性根の腐りきった奴は能力以前や」
「例え何かで才能があってもね」
「その方面で悪事ばかりする」
「だから使えないのよね」
「有能な働き者って言葉があるけどな」 
 美奈代もこの言葉を出した、ドイツの軍人であるゼークトが言った言葉でこの時代にも残っている。
「それでもな」
「屑はね」
「どうしようもないわ」
 それこそというのだ。
「悪事ばかり働くからな」
「それこそ」
「使えんわ」
「だからよね」
「屑は排除するしかない」
「そういうことね」
「これも政治だな、しかしまあな」
 久志は考える顔でこうも言った。
「幾ら何でもこの世界今の日本程酷くないよな」
「酷い先生いないわよね」
「そうだよな」
 こう言うのだった。
「幾ら何でもな」
「今の日本が酷過ぎるのよ」
「先生の質悪過ぎるな」
「いい鉄は釘にならなくて」
「いい人も学校の先生にならない」
「それ位酷いな」
「本当にね」
 このことに日教組が影響していることは言うまでもない、北朝鮮の教育が理想と言う輩がトップを務めていた組織がまともと思う者はまずいないであろう。
 それでだ、美奈代もまた言ったのだった。
「この世界は偏った思想もないから」
「だからか」
「まだずっとましの筈よ」
 今の日本よりはというのだ。
「学校の先生達もね」
「キリスト教があってもな」
「この世界のキリスト教はね」
「他の宗教と共存していて」
 そしてなのだ。
「圧倒的な権力も権勢もないからな」
「中世のバチカンみたいに腐敗もしていなくて」
「それでな」
「だからよね」
「宗教家イコール知識人でな」
 学問は宗教からはじまると言っていい、少なくとも欧州においてはあらゆる学問は神学という幹から生じている。
「思想の影響は受けるからな」
「今の日本の先生にしても」
「そうだしな、共産主義の影響受けてるからな」
「それでああなってるしね」
「この世界の学校の先生も思想の影響受けてるな」
 むしろ受けない筈がない、知識人は思索し学び考えるものだ。それで知識人である学校の先生も思想の影響を受けているのだ。 
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