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八条学園騒動記

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第四百九十三話 ドラッグその六

「蟲毒だと」
「その最後の一人をな」
「呪いに使う、つまりね」
「殺すからな」
「余計に悪いわね」
「そうだな、そんな呪術もあるらしい」
「世の中悪いことも色々ね」
 ビアンカはカレーの中の人参を食べつつ思った、人参は他の野菜達と同じくよく煮られていて柔らかい。
「考える奴がいるのね」
「そして実行するな」
「というかそんな呪術使ったら」 
 ビアンカはこうも言った。
「地獄に落ちるでしょ」
「魔道の中の魔道だからな」
「黒魔術というかね」
「黒魔術も色々だしな」
「呪いを使わないのもあるし」
「魔女が普段使う様なものならいいがな」
 黒魔術でもというのだ、連合の魔女のイメージは箒に乗って空を飛ぶ黒い三角帽子と法衣の鼻の曲がった老婆だ。使う魔法は楽しいものだ。
「呪術になるとな」
「アウトでね」
「外道も外道でだ」
「蟲毒はその中でも最悪で」
「特に人を使うとな」
「最悪よね」
「魔道の中の魔道の中でも最悪でだ」
 そしてとだ、アルフレドはジャガイモを食べつつ言った、実はジャガイモは彼の好物の一つでありカレーにもかなり入れている。
「そんなものを使うとな」
「それこそよね」
「地獄に落ちる」
「そうなるわよね」
「俺もそう思う」
「そうならない筈がないわね」
 兄に真剣な顔で答えた。
「それこそ」
「そうだな、本当にな」
「極悪人っていうか」
 それこそというのだ。
「人間じゃなくなってるわね」
「例え身体が人間でもな」
「そうなっていると言うしかない」
 それこそというのだ。
「本当にな」
「そんな奴こそ地獄に落ちるわ」
「それも地獄のかなり深いところにな」
「どんな宗教でもなるわね」
「悪人が落ちる場所が地獄だ」
 その行いに報いが出る、それが世の常であり宗教でもその様に教えられるのだ。
「それでだ」
「そんなことする奴こそが落ちるわね」
「これが小説や漫画ならな」
「いいけれどね」
「洪童もこの話は信じていなかった」
「あんまりにもとんでもない話だからな」
「ないとは思うと前置きをして俺に話してくれた」
 彼にしてもこの呪いの存在は幾ら何でもと思っていたのだ。
「それで俺もだ」
「まさかと思っているのね」
「そこまで邪悪だとな」
「使う方もよね」
「本当に漫画や小説やアニメの世界に出て来るな」
 創作の世界、そこにというのだ。
「吐き気を催す邪悪だ」
「もう外道を極めた」
「人間でなくなっている奴だ」
 そうした輩の所業だというのだ。
「だからな」
「世の中色々な人がいるにしてもね」
「そこまで人の道を踏み外している奴はな」
「いないわよね」
「まさかと思うしそう思いたい」
 アルフレドは本音も出した、漏らしたのではなく出したのだ。 
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