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八条学園騒動記

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第四百九十三話 ドラッグその五

「人はどうしても悪い心があるがな」
「それでもよね」
「呪い殺そうとまでするとな」
「駄目よね」
「丑の刻参りがあるが」
 日本からはじまる呪いである。
「あれは人に見られると駄目だ」
「呪いの藁人形ね」
「人に見られるとその呪いが自分にかかる、だが」
「そもそも呪いだし」
「どっちにしろ自分にもだ」
 見られずとも、というのだ。
「やがてはな」
「自分にかかるのね」
「そんな代物だ」
「そうよね、穴二つだから」
「そうなってしまう」
「やっぱりすべきじゃないわね」
「蟲毒もな」
 この呪術もというのだ。
「あんなものをするとな」
「絶対によくないわね」
「生きものを戦わせて殺し合わせてな」
「それで最後の一匹を呪いに使うとな」
「もう殺し合いの中で凄いマイナスの感情が出ていて」
「それを呪いに使うからな」
 そうなるからだというのだ。
「もうな」
「どれだけ恐ろしいか」
「そう思うとな」
 それこそというのだ。
「蟲毒なんてな」
「するものじゃないわね」
「絶対に自分に返ってくるな」
「ブーメランでね」
 この時代でも自分に報いが返ってきたり自分が過去言った言葉がそのまま返って来ることをこう言っている。
「まさにね」
「返って来るに決まっている」
「本当にそうよね」
「そうなるからな」
 それだけにというのだ。
「あんなことはしないことだ」
「呪いはね」
「それで洪宝が言っていたが」
 クラスメイトである彼がというのだ。
「蟲毒の呪いの中でも最悪なものはな」
「どんなのなの?」
「人間同士を争わせるものらしい」
「そんなの韓国にあったの?」
「そうかもな、その蟲毒を使うとな」
「物凄い呪いになるのね」
 ビアンカはアルフレドに眉をこれ以上はないまでに顰めさせて言葉を返した。
「そうなるのね」
「そうみたいだな」
「人間同士を殺し合わせるとか」
「それだけでとんでもないことだな」
「もうあれじゃない」 
 カレーを食べつつ言った。
「よく漫画とかライトノベルである」
「地下の闘技場とかでやっているあれか」
「ルール無用のデスマッチじゃない」
「そうしたことが本当にあるかわからないがな」
「ないわよね」
「裏の世界はわからないからな」
「あるかも知れないのね」
 ビアンカはそう思うだけで嫌になった、実はこうした話が嫌いなのだ。
「そうなのね」
「若しかしたらな」
「嫌なことね、けれどね」
「そうしたか」
「そのままじゃない」
「デスマッチだな」
「デスマッチじゃ生き残るけれど」
 アニメや漫画、ライトノベルではそうだ。そうして多くの報酬が得られるハイリスクハイリターンな展開となるのだ。 
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