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八条学園騒動記

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第四百九十三話 ドラッグその二

「あれは」
「そうだな、身体も心もボロボロになるからな」
「毒よね」
「それも猛毒だな」
「そうよ、だからね」
「料理に入れることもか」
「あるわね、ドラマとかで」
「どうもな」
 首を傾げさせつつだ、アルフレドはまた言った。
「そこで密かに中毒になったりしたらな」
「嫌よね」
「本当にな」
「けれどね」
「そんなこともあるんだな」
「ドラマで観たわよ」
「そう思うと怖いな」
 アルフレドは実にと思った。
「料理も」
「そうよね、普通はね」
「そんなことはしないからな」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「嫌な奴の御飯に入れるとか」
「麻薬をか」
「麻薬じゃなくても」
 それでもというのだ。
「色々入れるって出来るわね」
「そういえばそうだな、よくある話だな」
「暗殺で毒入れるとかね」
「そういうことあるからな」
「食べものに何か入れるのは自然だな」
「そうよね、嫌な話だけれど」
「昔から毒殺はあるな」
 これは歴史では古来からあるしこの時代でも同じだ、暗殺として毒殺は実によく行われる方法の一つである。
「あと馬鹿が免許ないのに河豚調理してな」
「ああ、河豚ね」
「その毒で死ぬとかな」
「それもたまにあるわね」
「蛇じゃ聞かないけれどな」
「蛇の毒は熱したらなくなるから」
 毒の効果がなくなるのだ。
「だからね」
「蛇の毒にあたって死ぬってないんだな」
「そう、蛇の毒は蛋白質だから」
 それから作られるものなのだ。
「だからね」
「熱したら毒じゃなくなるんだな」
「その要素が分解されるらしいのよ」
「だから毒蛇を食ってもあたらないか」
「そうなの、蝮だってそうでしょ」
 多くの惑星に棲息している毒蛇である、ただし毒蛇といってもその毒の強さはコブラやサンゴヘビとは質が違いまた毒の強さもかなり弱い。
「蝮酒にしてもね」
「毒にあたったとかはないな」
「だから蛇の毒は食べる分にはね」
「いいんだな」
「そうなの、だからね」
 それでというのだ。
「身体には悪くないのよ」
「蛇は噛まれたら怖いだけか」
「河豚は噛まないけれどね」
「食ったら怖いか」
「そこが違うのよ。それで麻薬に話を戻すけれど」
 ビアンカはカレーを食べつつ兄にこう返した。
「食べものに入れたら」
「何も知らないで中毒症になるな」
「これは怖いわよね」
「毒だとその場で死ぬけれどな」
「麻薬はね、中毒になっていくから」
「余計に怖いな」
「ええ、ただやっぱり嫌いな奴に一服盛ったら」
 それで、というのだ。 
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