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レーヴァティン

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第八十二話 最後の一人その四

「だから見ているとな」
「目新しく感じますか」
「どうもな、そして風情を感じて」
 それでというのだ。
「中々いいな」
「そうですね、こうして武家屋敷が集まる中も」
「またいい、そしてな」
 それでとだ、さらに話した英雄だった。
「武家屋敷の中の道場の一つにだな」
「最後の一人がいますね」
「十二人目がな」
「そうですね、まさに」
「その最後の一人と会ってだ」
 そしてというのだ。
「仲間にすればだ」
「いよいよ旗揚げですね」
「その時が来た、大坂に戻り」
 この街にというのだ。
「旗揚げだ」
「大坂を掌握してな」
 そうしてとだ、耕平も行ってきた。
「そのうえで旗揚げやな」
「そうする、大坂の強者達はだ」
 そうした者達はというと。
「片っ端から降してだ」
「配下にして」
「そのうえで」
「俺達の兵にしていく」
 耕平と謙二にこう答えた。
「どうしようもないならず者以外は兵にしていく」
「やっぱり兵隊は必要ゼよ」
 当季もこう言ってきた。
「配下がおらんではのう」
「何も出来ないな」
「そうぜよ、十三人だけではぜよ」
 とてもというのだ。
「戦も何も出来んぜよ」
「政でもだな」
「役人が必要じゃのう」
「役人も集める」
 政を担う彼等もというのだ。
「そうしてだ」
「まずは大坂じゃな」
「あの街を一つにしてその上に立ってだ」
 そうしてというのだ。
「それからだ」
「旗揚げじゃのう」
「そうなる、大坂を掌握してだ」
 そしてというのだ。
「そこからだ」
「この島の統一をはじめるんじゃな」
「そうする、大坂の周辺からな」
「兵を進めていって」
「大きくなっていくつもりだ、長かったが」
 それでもというのだ。
「遂にだ」
「その時が来たのう」
「これまでは只の旅だった」
「只のなんじゃな」
「そうだ、色々あったが」
 それでもというのだ。
「何でもないことだった」
「旗揚げからが本番じゃな」
「そうだ、これまでは俺達だけのことだった」
 仲間を集める、それだけだったというのだ。
「しかしな」
「全員集まってのう」
「大坂の掌握からはじめるが」
 それがというのだ。
「まさにだ」
「本番じゃな」
「そうだ」
 そうなるというのだ。 
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