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星河の覇皇

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第六十九部第二章 軍と警察その二十七

「そうあるべきなので」
「では」
「この政策は成功させ」
「国境の警備を確かにし」
「布石ともしたいです」
 この考えもあるというのだ。
「さらに」
「一つの政策の成功はさらなる飛躍を生む」
「はい」
 まさにというのだ。
「それ故に」
「今回の作戦を万全に成功させ」
「それからです」
 さらにというのだ。
「次の政策につなげましょう」
「一つの政策から」
「そうすべきです」
「その通りですね、ただ」
「各国政府ですね」
「各国政府は反発を感じています」
 八条は彼等の考えを読んでいた、そのうえで金に言ったのだ。
「常にですが」
「近頃は特にですね」
「綱引きはこちらが引けば相手は引き返す」
「そうしたものだからこそ」
「必ずです」
 それこそというのだ。
「反発をしてです」
「団結してですね」
「合従連衡です」
 八条は古来からある外交の言葉を出した。
「連合は特にです」
「各国政府はいがみ合いつつも時には手を結びますね」
「そしてその相手は」
「各国間にあれば」
「中央政府の場合もありますね」
「これまで幾度あったか」
 連合の千年の歴史の中でだ。
「各国政府が団結して中央政府に対したことは」
「何かあればでしたね」
「まさにでした」
 連合の政治史では常だった、各国政府が自分達の権限を拡大しようとする中央政府に対して団結してあたることは。
「常にそうあり」
「対立が起き」
「熾烈な論争と政治的衝突が繰り返され」
「そして妥協していった」
「いつもでしたね」
 中央政府にも強制権がある、これで各国政府を従わせることも出来るのだ。しかしこれはあくまで切り札でそうそう使えるものではない。専横とみなされるからだ。
 各国政府は団結し拒否権も出せる、しかしこれもまた乱発すると強制権もそうであるが市民達にやり過ぎとして批判されるので使えない。
「ですから」
「今回も」
「そろそろです」
「各国が団結してですね」
「我々に対するかも知れません」
「では」
「はい、今回の作戦が成功し」
 そしてというのだ。
「その後で」
「政策を動かせば」
「各国政府が動くかと」
「では」
「これ以上の権限拡大はです」
「難しいですか」
「国境警備は確定します」
 中央政府主導になるというのだ、これが。
「そしてそこで」
「止まることもですか」
「見方だと思いますが」
「そうですか」
 金は八条の言葉をここまで聞いて述べた。
「そこをどうするか」
「難しいところですが」
「中央政府と各国政府の対立は連合の政治史であり」
 金は再びこのことを話した。 
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