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八条学園騒動記

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第四百九十二話 再びざわざわその五

「伝説の人だよ、ちなみに俺の高校の一年上だ」
「先輩ですか」
「そうだったんですね」
「部活も麻雀部でな」
「じゃあ部活でもですか」
「先輩ですか」
「麻雀は鬼でも凄い温和な人でな」
 それでというのだ。
「俺も色々教えてもらった」
「そうした店長さんですか」
「じゃあ就職も」
「店長さんに誘われてな」
 そうしてというのだ。
「就職活動の時だった」
「それで就職もされて」
「今そこで働いておられるんですね」
「今も」
「そうされていますか」
「ああ、経営も上手くいっているさ」
 店のそれもというのだ。
「店のことで困っていることはないさ、ただな」
「ただ?」
「ただっていいますと」
「うちの店は健全だからな」
 そうした店の経営だからだというのだ。
「柄の悪い、ヤクザ屋さんはお断りだけれどな」
「麻雀だとですね」
「ヤクザ屋さん来るんですね」
「ギャンブルとヤクザ屋さんって切っても切れないそうですから」
「だからですね」
「来るんだよ」
 そのヤクザ屋の者達がというのだ。
「それでその度にな」
「帰ってもらっていますか」
「入店お断りでもですか」
「来るんだよ」
「それは困りますよね」
「どうしても」
「健全な店だからな」
 このことは絶対だからだというのだ。
「そうした人は来てもらったら困るんだよ」
「正直ヤクザ屋さんは困りますよね」
「健全な人達じゃないですから」
「遊ぶことは誰も同じでも」
「それでもですね」
「それでいつも断ってるさ、ヤクザ屋さんが麻雀したいならな」
 それならと言うのだった。
「仲間内でしてくれ」
「お店でしないで」
「そうしてですね」
「静かにしてくれ」
「健全なお店としてはそうですね」
「うちは接待麻雀とかサラリーマンが多いんだよ」
 お客さんはそうだというのだ。
「そこにヤクザ屋さんがいるとな」
「どうしてもですね」
「浮きますよね」
「他のお客さんも怖がりますし」
「問題がありますね」
「あるなんてものじゃないよ」
 それこそというのだ。
「それでだよ」
「いつもお断わりしていて」
「帰ってもらっていますか」
「それが悩みだな、名人が来てもな」
 例えそうなってもというのだ。
「店長さんしか相手になれなくてもな」
「いいんですね」
「ヤクザ屋さんじゃないから」
「プロ中のプロが来ても」
「それでも」
「ああ、このゲームの人が来てもな」
 クリアしたゲームの画面を見ての言葉だ、まだスタッフロールが流れている。 
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