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レーヴァティン

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第八十一話 東国その一

               第八十一話  東国
 英雄と桜子は仲間達と合流した、そうして桜子が紹介する寿司屋に入って横一列に親父の前に座ってだった。
 それぞれ好きな寿司を注文していく、智はその中でハマチを食いつつ言った。
「確かに。このお寿司は」
「美味いね」
「はい」
 こう桜子に答えた。
「見事な味でござる」
「そうなんだよ、ネタも新鮮でね」
「シャリもでござるな」
「いいんだよ」
「そしてお茶も」
「俗にお茶三年、シャリ三年、握り三年っていうけれどね」
「そのどれもがでござるな」
「このお店はいいんだよ」 
 桜子は鳥貝を食べつつ話した。
「この通りね」
「全てがいいでござるな、しかも」
 今度は店の中を見回してだ、智は桜子に話した。
「お店も雰囲気もいいでござる」
「日本のお寿司屋さんって感じでね」
「絶品でござる」
「山葵が効いていてっちゃ」
 愛実はトロの中のその辛さにつんとなりながら述べた。
「いいっちゃね」
「だろ?このお店は山葵もなんだよ」
「いいっちゃね」
「好き嫌いがあるけれどね」
「お寿司は山葵も大事っちゃ」
「そしてその山葵が効いてるから」
 それ故にというのだ。
「この味なんだよ」
「そうっちゃな」
「どんどん食べられるね、それで」
「銭あるからな」
 耕平が言ってきた。
「好きなだけ食えるで」
「やっぱりお寿司でも何でもだよ」
「腹一杯食ってこそやな」
「腹八分なんてね」
 それこそというのだ。
「いざって時に力が出ないよ」
「いや、食い過ぎるとな」
「動けないっていうんだね」
「あんまり食い過ぎたなら」
 そうした場合はというのだ。
「やっぱりな」
「動きがだね」
「鈍くなるわ、忍者はな」
「ああ、跳んだり跳ねたりだからね」
「それでや」
 そうした職業でそうした戦術だからだというのだ。
「腹八分とまではいかんけど」
「あんまり食い過ぎたら跳んだり跳ねたりはだね」
「ちょっと出来んわ」
 そうだというのだ。
「忍者はな」
「そこは難しいね」
「やっぱりな、まあ加減や」
「食うことは大事にしても」
「力士みたいに食ったらな」
 それはというのだ。
「忍者はよおないわ」
「そうだね、どうしてもね」
「力士は力士、忍者は忍者や」
「それぞれの戦い方があるからね」
「あそこまでは食わん、お寿司でもな」
「その割に食ってるけれどね」
「そやから力士位にはや」
 そこまではというのだ。
「食わんってことや」
「桁外れにはってことだね」
「そや、というか力士の人はな」
 彼等の食い方はとだ、耕平はいくらを食べつつ言った。ネタは現代日本のものの様に非常に多彩である。 
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