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レーヴァティン

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第七十九話 江戸の街その六

「戦える位はです」
「飲んでいないか」
「今は」
「そうだな、確かにかなり飲んでいるが」
 匂いがするだけではない、顔も赤くなって動きにも出ている。
「まだ意識はあるな」
「そこは弁えていますので」
「ならいいがな」
「はい、それでは」
「魔物が出れば戦う」
 英雄はまた言った。
「いいな」
「それでは。しかし今のところは」
「魔物は出て来ないな」
「そうですね、湖は陸地よりもですね」
「魔物の数が少ない」
 そうなっているというのだ。
「では俺もだ」
「これからですか」
「飲むか」
 自分もというのだ。
「そうするか」
「焼酎です」
「それは何よりだ、そして肴もあるな」
「はい、それでは」
「これから飲む」
 ここで正式に決めたのだった。
「焼酎をな」
「それではこちらに」
「他の奴等も呼ぶか」
 今甲板にいたり中で寝ている面子も集めてというのだ、それぞれ今は好きな様にして心身を休めているのだ。
「そうするか」
「そうしてですね」
「皆で飲むか」
「いいですね、では」
「全員でな」
 こう言ってだ、英雄は実際に仲間を全員集めて車座になって飲みはじめた。幸正達は既に飲んでいるがそれに加わっていた。
 そうして飲みつつだ、英雄は香織に尋ねた。
「神様の道具は持っているな」
「持ってるたい」
 当然という顔でだ、香織は答えた。
「太極図たい」
「太上老君が持っている」 
 太極図と聞いてだ、良太は香織にそれかと問うた。
「仙人の宝貝の中でも特に強いものの一つである」
「それをたい」
「お持ちですか」
「そうたい」
「それは凄い」
 良太は思わず唸った、香織のその返事に。
「あの様なものをお持ちとは」
「術の力を大幅に上げてくれてたい」
 香織は太極図の力のことを具体的に話した。
「気力を常にかなり回復させてくれるとよ」
「それで、ですね」
「強力な術をどれだけでも使わせてくれてたい」
「しかもですね」
「敵をその図の中に封じ込めることも出来るとよ」
 そうした力も備わっているというのだ。
「だから相当に強いたい」
「凄い道具ですね」
「最も図の中に入れることは」
 今話したその力はというと。
「どうもあまり使えないみたいたい」
「そちらについては」
「これまで使った話はないと聞いてるとよ」
 それはというのだ。
「太上老君はともかくとして」
「封じ込められた相手はどうなるかは」
「何か魂まで消されるということたい」
 そうなるとだ、香織は峰夫にも話した。
「聞くところによると」
「魂もでありますか」
「相手の魂まで消すとなるとたい」
 身体だけでなくだ。 
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