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レーヴァティン

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第七十六話 ローマに行ってその七

「それを踏み出すんだな」
「そうなります、まずは第一歩です」
「それからだな、その一歩をな」
「踏み出して」
「歩いていくか、島には数えきれないだけの領主や騎士団や寺院があって」
 久志はこの世界のことをここでまた話した。
「それこそ星の数だけの勢力があるけれどな」
「その全ての勢力を一つにすることがです」
「統一だな、じゃあな」
「統一をですね」
「やるか」
 強い声でだ、久志はまた言った。
「そうするか」
「是非共」
「そしてな」
「海の魔神もですね」
「倒すか、まだどんな神様かわからないがな」
「それでもですね」
「倒してやるさ」
 その海の神をとだ、久志は強い声で言った。
「絶対な」
「その為にも」
「ローマに入るぜ、いいな」
 仲間達にも言ってだ、久志はローマの街の中に戻った。十二人の仲間を全員揃えた彼は冒険から戦争と政治の世界に入った。
 ここまで話してだ、久志は英雄にこう言った。
「とまあこれがな」
「御前の一つの旅の終わりか」
「それで今度はな」
「旗揚げだな」
「そうさ、今度寝たらな」
 その時はとだ、久志は大学の博物館の中を共に歩く英雄に話した。
「そこからだな」
「旗揚げの為にか」
「俺とあいつ等がどう動いたのかをな」
「経験してか」
「御前に話すな」
「それはわかった」
 英雄は久志に静かな調子で答えた。
「そしてだ」
「ああ、御前もだな」
「全員揃った」
 そうなったというのだ。
「無事にな」
「無事か?」
「十二人揃った」
 そうなったからというのだ。
「だからな」
「いよいよだな」
「本当にな」
 まさにというのだ。
「その時が来たな」
「実感しているか」
「ああ、それで御前はどうなんだ?」
 久志は英雄に言葉を返した。
「それで」
「俺もだ」
 英雄は久志ににこりともしないいつもの無表情で応えた。
「ようやくだ」
「十二人揃ったんだな」
「そして大坂に戻った」
 この街にというのだ。
「そうなった」
「そっちは大坂なんだな」
「あそこが旗揚げには一番いい」
 そう見てというのだ。
「その場所に選んだ」
「大坂な、あの島の地図を見たらな」
「陸でも水でも交通の要衝だな」
「それで街は発達してるしな」
「そして土地も肥えてるんだな」
「周りの場所もな」
 大坂だけでなくというのだ。
「すぐに旗揚げ出来る」
「そうか、それでか」
「十二人揃えてだ」
「大坂に戻ったんだな」
「今から旗揚げだ」
「俺と一緒だな」
「そうだ、しかし経緯はな」
 十二人揃えたそれはとだ、英雄は久志に断りを入れた。 
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