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八条学園騒動記

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第四百八十六話 双子の閃きその四

「残っているのよ」
「その人の著作権が切れても描かれてな」
「そうよ。しかしアイディアとしてね」 
 アルフレドの言ったそれはとだ、ビアンカはまた述べた。
「面白いわね」
「ざわざわという声を舞台に入れることはか」
「ええ、自然に出来るかどうかはともかく」
「板につくかはだな」
「それは難しいでしょうけれど」 
 それでもというのだ。
「面白い試みね。たってみないと」
「実際にだな」
「わからないしね、目に見えてわかることでもまずは」
「実際にやってみないとな」
「どうか言えないしね」
 それがいいかどうかはだ。
「だからね」
「まずはだな」
「演劇部とかでやってみるとか」
「そうしてみるとか」
「いいわね、ただ兄さん部活は」
「衣装部に入っているがな」
 演劇部や歌劇部、コスプレ研究会の衣装を担当する。その持っている衣装の数は膨大な数と種類に至っている。
「演劇部自体にはな」
「入ってないわね」
「しかし意見は出来る」
 演劇部と縁の深い衣装部の部員としてだ。
「それはな」
「そうよね。じゃあ提案してみる?」
「そうしてみるか」
「私も演劇部に縁があるしね」
「今歌舞伎部にいるな」
「そう、そっちにいるから」 
 それで舞台にも出ている。
「だからね」
「それでだな」
「ええ、そちらの立場からね」
 ビアンカもというのだ。
「提案してみるわ」
「そうしてくれるか」
「歌舞伎ではそうした演出ないけれど」
「舞台の下に人が沢山並んでな」
「驚いたり言ったりするのはないけれど」
「あくまで舞台の中でするな」
「歌舞伎はね」
 そうした演劇だというのだ。
「そうだけれど」
「提案は出来るな」
「縁のある立場としてね」
「そうしてくれるか」
「そうね、しかしね」
「今度は何だ」
「いえ、そのギリシアのね」
 部隊の下で列を作っていて驚いたり笑ったりする人達はというのだ。
「面白い演出よね」
「古代ギリシアのな」
「よくあんなの考えついたわね」
「それはな」
「兄さんも思うことよね」
「ああ」
 その通りだとだ、アルフレドも答えた。
「あれはな」
「古い様でね」
「凄く斬新だな」
「思いきり前衛的よね」
「よくあんなこと思いついたな」
「ざわざわもだけれど」
「あの人達もな」
 アルフレドもこう言うのだった。
「よくな」
「考えついたわ、それでね」
「それでか」
「あれを復活したら」
「いいか」
「普通の演劇ではしないから」
 この時代でもだ、まずしない演出の一つだ。 
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