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八条学園騒動記

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第四百八十六話 双子の閃きその三

「アニメにもなってるから」
「そうみたいだな」
「それもこれまで百回はね」
「多いな」
「連合各国でね」
 それも千年以上の間にだ。
「そうされてきて」
「このざわざわという音もか」
 人の声というかそうしたものもというのだ。
「演出されてきたか」
「声優さんがあえてね」
「アニメの中でか」
「ざわざわって言って」
「演出にしていたか」
「そうしてきたけれど」
「それを舞台とかでも出来るか」
 アルフレドは考える顔のままビアンカにまた言った。
「そうも思ったが」
「出来るわね」
 ビアンカは結論から述べた。
「だってね」
「舞台でだな」
「ざわざわって言えばいいし」
「それだけで済むな」
「古代ギリシア風の演劇だと」
 こうした作品の舞台ならとだ、ビアンカは話した。
「舞台の下に沢山の人が並んでるわよね」
「それでコーラスとかしたりな」
「泣いたり驚いたり笑ったりするけれど」
「あの人達がか」
「ざわざわって言えば」
 そうした演出を行えばというのだ。
「普通にいけるし」
「それじゃあいいな」
「ええ、それやった人今までいたかしら」
「いなかったか」
「この演出この漫画独特だから」
 そのざわざわという効果音というか声はというのだ。
「だからね」
「中々か」
「他の人の作品世界ではないから」
「限られているんだな」
「誰にも出来る演出と出来ない演出があって」
「これはか」
「ちょっと出来ない演出でしょ」
 ビアンカは少し難しい顔になって、それでこうも言った。
「漫画の表現は誰でも取り入れることが出来ても」
「他の漫画家さんもな」
「何ていうか。その人がやってこそ面白い絵になる」
「そうした演出はあるな」
「それでこの演出はね」
「あの人が描いて続いている作品世界だけか」
「他の人がやっても」
 ざわざわと漫画の中で描いてもというのだ。
「パロディにしかならなくて」
「板につかないか」
「板につかないとね」
 そうならなくてはというのだ。
「この場合駄目でしょ」
「それはそうだな」
「そう、だからね」
「それはか」
「そう、ちょっとね」
「舞台でやるにしてもか」
「難しいんじゃない?やれることはやれても」
 それでもというのだ。
「パロディに過ぎなくて板についているかっていうと」
「難しいのね」
「そうでしょ、結局のところね」
「あの演出はあの人の作品世界だけか」
「物凄くヒットしてね」 
 はじまりのギャンブル漫画がだ、主人公の苦境を乗り越えていく姿と演出が読者の間で人気を得たのだ。
「それで今まで続いていて連合各国で描かれているのは」
「それだけの作品ってことでか」
「演出もね」
 ビアンカは再びこれの話をした。 
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