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八条学園騒動記

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第四百八十話 それで終わらずその八

「この人も言われていたし」
「女好きだって」
「その女好きたるやね」
「物凄かったのね」
「それでやっぱり明治帝に言われたし」
 女好きも程々にする様にと明治帝が窘められたのだ。
「それこそ黒田清隆のお話なんて」
「失脚ものよね」
「事実ならね」
「それで事実でも」
「隠されてないなら」
 その真実がだ。
「やっぱりね」
「失脚よね」
「そうなっていたわ」
 間違いなくというのだ。
「本当にね」
「隠していたんじゃないかしら」
 ジョーはまた言った。
「やっぱり」
「そうかもね」
 エイミーもこう言った。
「大久保利通が隠した」
「本当に殺されていたけれど」
「そうかも知れないわね」
 ベスも二人に続いた。
「実は」
「そのことは本当にわからないの」
 メグも妹達に話した。
「実はね」
「そうなのね」
「ええ、本当に真実はね」 
「わからないままなのね」
「知っている人は大久保利通だけれど」
「もうその人もね」
「歴史の彼方だし」
 暗殺されてこの世を去っている、その切れ者過ぎる鋭利な人物像は今も賛否両論がある。
「だからね」
「わからないのね」
「そうよ。まあ酒乱はよくないってことね」
「そういうことになるのね」
「結論はね。しかしね」
「しかし?」
「お酒のお話に戻るけれど」
 酒乱の話ではなく純粋なそれにというのだ。
「いや、このブランデー本当に美味しいわね」
「ええ、それはね」
 エイミーも長姉のその言葉に同意してまた飲んだ、見れば今ので彼女の酒はボトルからなくなっている。
「甘くて飲みやすくて」
「いいお酒よね」
「本当にね」
「ただこれは本当にね」
 ジョーは完全に泥酔寸前になっていた、そのうえでの言葉だ。
「明日の朝大変そうね」
「そうね、本当にね」
 メグもすぐ下の妹に応えた。
「見たところ四人共ね」
「もうかなり飲んでいて」
「皆大なり小なり二日酔いね」
「このブランデーしかも」
 ベスは自分が今持っているボトルでアルコール度をチェックした、見ればそのアルコール度はというと。
「四十三度だし、しかもよく見たら」
「どうしたの?」
「これ普通のボトルじゃないわ」
「あら、そうなの」
「一リットル分だから」
 普通のボトルの七五〇ミリリットルではなかった。
「余計にね」
「飲んだアルコールも多くて」
「これは二日酔い間違いなしよ」
「ワインだと五本分近い?」
 そこまでではないかとだ、エイミーは言った。 
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