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八条学園騒動記

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第四百八十話 それで終わらずその四

「飲みやすいわね」
「そうよね」
「これならね」
「幾らでも飲めるわよね」
「ええ、いい感じでね」
「これはね、一本空けちゃうわね」
「ブランデー一本空けたら」
 それこそというのだ、ワインの倍以上のアルコール度のこの酒を。
「確実にね」
「蒸留酒だから」
「それでを空けたら」
「私二日酔いよ」
「私もそうなるわ」
「私だってね」
 ジョーは四姉妹の中でとりわけ酔いが回っている感じになっていた、身体の動きも力が抜けた感じになっている。
「そうなるわよね」
「ええ、ただジョーはね」
「何?」
「今日随分お酒の回りが早いわね」
 メグはそのジョーの状況を見て彼女に言った。
「いつも以上に」
「いや、美味しいからどんどん飲んでいて」
「それでなの」
「そのせいでね」
 その動きも酔っている感じで怪しいと言っていいものになっている。
「お酒が回っていると思うわ」
「そうなのね」
「一本空けたらね」
「歯を磨いて」
「寝るわ」
「そうするのね」
「グラスは食器洗い機に入れて」
 そしてというのだ。
「ボトルもなおして」
「そのことは忘れないのね」
「まだ動けるし意識も残っているから」
「出来るのね」
「ええ、それは安心して」
 こう姉に言うがその間も飲んでいる。
「歯も磨くし」
「それ今言ったわよ」
「もう一回言ったの、ただね」
「同じことすぐに二回言ってると」
「これは酔いが回ってるってね」
 まさにとだ、ジョーは自分から言った。
「わかるわ」
「ええ、かなりね」
「これは明日の朝絶対に二日酔いよ」
 ジョーは確信していた、未来の自分がそうなることを。
「そうなってるわ」
「自覚してるのね」
「してるわよ、こんなに酔ってるから」
 言いつつも飲み続けている。
「だから言うのよ」
「ジョーお姉ちゃん酔ってる時は絶対にそうなるわよね」
 エイミーもその次姉を見て彼女自身に言った。
「酔ってるって言うわね」
「自覚はするのよ」
「そうよね」
「それでね、最後の最後まで意識があるから」
 それでというのだ。
「暴れないで住んでるわ」
「四人共酒乱はないのよね」
 ベスもそれは安全だと言った。
「幸い」
「それはいいことよね」
「ええ、酒乱の人がいるとね」
 身近にだ、勿論姉妹でもだ。 
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