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八条学園騒動記

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第四百七十九話 お菓子にはその八

「だからね」
「そうなってるのね」
「竈の神様は女神様」
「それは決まってるわね」
「まあ大体そうよね」
 メグもこう言ってきた。
「キッチンじゃなくて竈の神様でね」
「女神様なのね」
「大抵の宗教でね」
「そうなのね」
「一神教は違うけれど」
 キリスト教やイスラム教そしてユダヤ教はというのだ。
「天使達が司っているけれどね」
「竈のことは」
「神様の下でね」
 一神教では絶対の存在とされるこの神の下でだ。
「そうされてるけれどその天使も」
「天使って性別ないわよね」
「ええ、人間や多神教の神様と違ってね」
 神学ではそうされることが多い、ただし過去の時代によっては天使は男性だと考えられている時代もあった。
「性別ないけれど」
「竈を司る天使は」
「女性的に描かれていたりするわ」
「そうなのね」
「漫画やゲームとかでね」
「小説でもよね」
「何処かね」
 そうなっているというのだ。
「この辺りあれよね」
「竈というかキッチンが女の人の世界っていう考えが」
「まだあって」
 それでというのだ。
「残っているのかもね」
「それで女の人なのね」
「そうかも知れないわね」
 こうエイミーに話したメグだった。
「私が思うに」
「そうなのね」
「まあ宗教も色々で神様も天使も色々だけれど」
「大体ってことね」
「女の人よね」
「そういえば結構メソポタミアの女神様ってワイルドよね」
 ベスはクッキーを右手に持って齧りつつ姉妹に話した。
「フェニキアでも信仰されてるけれど」
「元々フェニキアもメソポタミアだし」
「あの辺りにあった国じゃない」
 メグとジョーがそれぞれ妹に突っ込みを入れた。
「だから信仰されてるわよ」
「信仰も復活したから」
「そうよね、それでね」
 ベスは姉達に応えてさらに話した。
「アスタルテとかイシュタルとかね」
「確かに結構凄いわよね」
 エイミーも末姉の言葉に応えて言った。
「エレキシュガルもキュベレイもね」
「特にアナトね」
「もう女傑よね」
「自分で剣取って戦うから」
「古代のお話だとね」
 この時代ではそうした話よりもほのぼのとした話が圧倒的に多くなっている、これも時代と共に信仰が変わったせいか。
「スプラッターだったりするわね」
「皆殺しとかあるし」
「まあ当時は戦争も多かったし」
「女神様も戦ってたってことね」
「男の神様と一緒に」
「竈の神様もそうだったのかしら」
 ベスはここでこうも言った。
「キッチンって刃物とか殴るものも多いし」
「フライパンだってね」
 エイミーはキッチンにあるものでまずこれを思い出した。
「あれを殴ることに使ったら」
「立派な武器ね」
「おたまもお鍋もね」
「特に包丁はね」
「刃物はね」
 これはエイミーだけでなくジョーとベスも無意識のうちに頷いた。 
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