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八条学園騒動記

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第四百七十九話 お菓子にはその七

「変わってるわよ」
「そうよね」
「その間のブランクはかなりだから」
「ううん、食文化も他の文化のことも」
「今日これまでお話した通りにね」
 その様にというのだ。
「もう別ものといっていいまでに変わっててね」
「こうして今私達がクッキーとそれぞれの飲みものを楽しんでいても」
「今のフェニキアってなるわ」
「そうなるのね」
「もっとも今の人類の食文化って二十一世紀にかなりの基礎が出来て」
 今食べられている食材がおおよそ揃ったのだ、ただし恐竜やカンブリア紀の生物は当時地球にいなかったので食べておらずそれぞれの惑星の独特の野菜や果物や茸類についてもこのことは同じではある、
「そこから発展していってるけれど」
「二十一世紀に基礎が出来て」
「それからだけれどね」
「二十一世紀ってまだフェニキアなかったわね」
「古代民族の復権と国家の成立は宇宙の時代になってからでしょ」
「だからね」
「まだその頃我が国はなかったけれど」
 それでもというのだ。
「食文化はね」
「今の人類のそれは」
「二十一世紀に基礎が出来ているから」
「そこからなのね」
「私達の料理も出来ていったわ」
 そうなったというのだ。
「飲みものもお菓子もね」
「お菓子もそうよね」
「今食べてるクッキーもイギリスのもので」
 ジョーが言って今飲んでいる紅茶と同じだ、ジョーは紅茶にブランデーを入れてそのうえで美味しく飲んでいる。
「人類社会に広まって」
「そうしてなのね」
「そう、私達も食べているけれど」
「そのクッキーにしても」
「今みたいに世界的に食べられているクッキーはね」
「二十一世紀に定着したの」
「十九世紀辺りから広まっていたけれど」 
 イギリス文化が世界に波及してだ、イギリス料理は評判が悪いがいいものはしっかりと普及していたのだ。
「二十一世紀に完全に定着してね」
「今みたいに食べられているの」
「そうよ」
「ううん、二十一世紀からなのね」
「二十世紀後半からだけれど」
 この時代の人類の食文化の基礎が固まったことはだ。
「それでもね」
「二十一世紀ね」
「キッチンもその頃にはかなりよくなっていて」
「今のキッチンの基礎も出来たの」
「竈なんかなくなって」
 かつての人類の厨房だ、そこで料理を作っていたのは言うまでもない。
「キッチンになったの」
「そうなのね」
「まあ神様は今も竈の神様って言うけれどね」
「キッチンの神様とはあまり言わないわね」
「そこはね」
 呼び名が違うのだ、エウロパのギリシア神話の女神ヘスティアもキッチンの時代でも竈の女神とされている。
「やっぱり神様の歴史は長いから」
「キッチンじゃなくて」
「竈よ」
 そちらになるというのだ。
「大抵の宗教でね」
「昔はキッチンじゃなくて竈だったから」
「それでなのよ」
「そこは変わらないのね」
「ええ、後ね」 
 ジョーはさらに話した。
「竈の神様って大抵女神様よね」
「そういえばそうね」
「台所関係はね」
「それはそうね」
「まあそれはね」
「昔は女の人がお料理をしたから」
 この時代は男でも普通に料理をする、男子厨房に入らずという言葉はこの時代では連合やエウロパでは忘れられている。 
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