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八条学園騒動記

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第四百七十九話 お菓子にはその五

「あと三時間位したら寝るでしょ、三人でしょ」
「まあそれ位にはね」
「寝るつもりよ」
「十二時半までにはね」
 三人共長姉にそれぞれ答えた。
「明日も学校だし」
「その時間にはもう寝て」
「また明日頑張るわ」
「じゃあそんなに濃くなくして」
 メグもこう言ってだ、四人共お菓子のクッキーを食べてそれぞれの飲みものを楽しんだ。ここでエイミーはまた言った。
「今私ココア飲んでるけれど」
「言っておくけれど古代フェニキアにはないわよ」
 ジョーはエイミーにすぐにこう返した。
「さっきの話の続きだけれどね」
「ココアはね」
「ある筈ないでしょ」
「こうして牛乳入れてお砂糖入れてね」
「カカオ自体ないから」
 当時のフェニキアにはというのだ。
「だからね」
「そうよね、お砂糖は超が付く位貴重だったし」
「というかその頃あったかしら」 
 砂糖はとだ、ジョーはこのことが疑問だった。
「今私達が思うお砂糖は。白砂糖は絶対にないとして」
「私がココアに入れたっていうか最初からココアの素に入っている」
「それなかったでしょ」
「そうよね、やっぱり」
「そういうものが出来るのも」
「紀元前よりずっと後よね」
「相当先よ」
 白砂糖が世に出るのは、というのだ。
「そもそもお砂糖って黄金だって言われてたし」
「それでスペインが植民地で作らせて欧州各国に売ってたのよね」
「現地の人こき使ってね」
「そうしていたし」
「だから紀元前にお砂糖はあっても」
「塊みたいなもので」
 黒砂糖のそれだというのだ。
「しかもかなり高い」
「超が付く位の貴重なものね」
「だからね」
「今私が飲んでいるココアって本場フェニキアのって書いてるけれど」
 実はフェニキアが国ぐるみでココアの本場と言って連合中に売っているのだ、こうしたキャッチフレーズは連合では各国が行っている。
「その頃にはね」
「飲んでないからね」
 紀元前ではというのだ。
「お水だけよ」
「お茶も飲んでるっていうと中国位?」
「中国でも飲んでないでしょ」 
 紀元前の中国でもというのだ、当時は春秋時代か戦国時代だ。
「その頃は」
「お水だけだったのね」
「それも井戸水よ」
 そちらの水だというのだ。
「衛生的にはかなりね」
「今のお水より悪いわよね」
「そうよ、水道なんてある筈もないし」
 これも文明の利器だ、上下水道の発達は二十世紀以降確かになっていく。
「井戸水か川とか湖のお水を飲んでたのよ」
「水道水より雑菌がずっと多い」
「それを飲んでたし」
「お茶なんてのも」
「なかったわよ」
 こちらもというのだ。
「それでココアはね」
「フェニキアが本場って言っても」
「これ同じこと確かアッシリアも言ってたわよね」
「あとずっと前からガーナもね」
「ガーナはカカオの国だし」
 この時代でもその生産で知られている、ガーナの農産物というとまずこれが来る程でガーナ人達もチョコレートをよく食べる。
「むしろフェニキアより説得力あるわよ」
「カカオの国でココアの国っていっても」
「さらにね」
「そうよね、やっぱり」
「言った者勝ちだから」
 こうしたことはというのだ。 
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