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八条学園騒動記

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第四百七十九話 お菓子にはその四

「普通のチョコレートではそんなに濃くないけれど」
「ココアでもね」
「濃いとね」
 カカオのそれがだ。
「もう凄い苦さよね」
「とんでもない位のね」
「そう思うとね」
「ええ、カカオもね」
 ジョーはまた言った。
「お薬よね」
「本当にそうよね」
「お薬も嗜好品になるのよ」
 メグはジョーとベスに話した。
「時代が変わるとね」
「それで皆が飲んでるのね」
「連合の誰もが」
「それで連合以外の国でも」
「そうなの。それにどれも昔は凄く高かったしね」
 お茶もコーヒーもだ。
「お酒より高い位だったし」
「それ信じられないけれどね」
 エイミーはメグのその話にどうにもという顔で応えた。
「今じゃお茶とかの方がずっと安いのに」
「栽培していても少しだったから」
 お茶の葉もコーヒー豆もカカオもだ。
「だからね」
「高かったのね」
「贅沢品だったのよ」
 まさにというのだ。
「王侯貴族やお金持ちだけが飲める」
「それが変わったってことね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「そうなったのよ」
「誰でも飲めるものに」
「そこも凄い違いよね」
「相当にね」
 その通りだとだ、エイミーはメグに応えた。
「お茶が普通に飲めないなんて」
「勿論炭酸飲料とかジュースは」
 ベスはこうしたものも話に出した、尚四人共ジュースや炭酸飲料はどちらかというとあまり飲まない方である。
「当然ないし」
「コーラとかサイダーもね」
「そうよね」
「ええ、そういったものは大体二十世紀からよ」
 メグはベスだけでなくジョーとエイミーにも答えた。
「それからだから」
「お水も飲むけれど」
 それでもと言うエイミーだった。
「やっぱりお茶とかの方がいいわね」
「私もそうよ」
「私だってそうよ」
 ジョーとベスも同意見だった。
「美味しいからね」
「お水だと味気ないから」
「私も同じよ。お茶やコーヒーは美味しいから」
 勿論ココアもである。
「飲むならこちらよね」
「ええ、何といってもね」
 エイミーも即座に答えた。
「味を考えたらね」
「そういったものは栄養もあるし」
 この時代カカオやコーヒーも品種改良で栄養もかなりのものになっているのだ。
「ただお水を飲むよりもね」
「いいのね」
「ええ、ただ飲み過ぎると」
「目が冴えるのね」
「葉や豆が薄いとそれ程でもないけれど」
「そんなに濃くしないから」
「私もよ」
 ジョーとベスはすぐにメグに言った。
「あくまで薄くね」
「紅茶だけれどそうするから」
「それがいいわね。もう夜の九時だし」
 時計を見れば針は九時十三分だった。 
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