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オズのガラスの猫

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第二幕その五

「そうさせてもらうわ」
「ええ、じゃあね」
「そうしてね、それとね」
「それと?」
「あんた達が行ける場所だけ行くから」
 このことも言うガラスの猫でした。
「そうするわね」
「あっ、猫と人間だとね」
「大きさが違うでしょ」
「それも全くね」
「しかも身のこなしもよ」
 それもというのです。
「違うでしょ」
「全くね」
「だからね」
「私達が行けるところをなの」
「一緒に歩いてあげるわ」
 ガラスの猫は少し気取った感じでナターシャ達に言うのでした。
「そうさせてもらうわ、よかったら朝御飯の後もね」
「私達がまだお散歩をするのなら」
「そうさせてもらうわ」
「そうしてくれるの」
「それが楽しそうだし」 
 そう思うからというのです。
「だからね」
「それが今貴女が楽しいと思うことなのね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「だからよ」
「成程ね」
「気が向いたらね」
 こうも言ったガラスの猫でした。
「それが楽しいからよ」
「それはまさに猫ね」
「うん、猫ならではの考えだよね」
「気が向いたそのことが楽しいって」
「もうした考えがね」
「猫ね」
 五人で思って言うのでした、そしてガラスの猫自身こう言います。もう五人とガラスの猫は一緒に歩きはじめています。ガラスの身体から王宮の緑が見えていてとても奇麗です。
「気まぐれっていうか」
「気の向くまま?」
「そうして動くから」
「まさに猫だね」
「ガラスの猫にしてもね」
「そうよ、あたしはガラスの身体を持つ猫よ」
 まさにとです、ガラスの猫自身子供達に顔を向けて答えます。
「最高に奇麗で素敵な身体を持つね」
「そう言うのもね」
 ナターシャはそのガラスの猫に微笑んで答えました。
「猫ならではね」
「エリカもそう言ってるっていうのよね」
「そうよ、あの娘はあの娘でね」
「自分が最高だって」
「一番だってね」
 ガラスの猫の言葉を借りるとこうなります。
「言ってるわ」
「そうなのね」
「それで貴女はそう聞いてもよね」
「別に何とも思わないわ」
 これといってというのです。
「本当にね」
「そうよね」
「だって誰がそう言ってもね」
 エリカなり他の猫がそう言ってもです。
「あたしが一番なのは変わりがないから」
「絶対のことなのね」
「あたしがそう思ってるのよ」
 王宮の中をナターシャ達と一緒に歩きながら言うのでした。
「それならね」
「そのことがなのね」
「絶対のことだから」
 それでというのです。
「エリカがどう思ってもね」
「構わないのね」
「そうよ、あたしがそう思っているのなら」
 それならというのです。 
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