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相談役毒蛙の日常

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三十一日目

スイパラ、スイーツ・パラダイスっていうのは要するに甘味の食べ放題だ。

何が言いたいかっつーとだな。

「慧奈。運動部の俺達はともかく…太るぞ?」

「ぶっ殺すわよ?」

「俺はあくまで親切心で言っているんだ。
つーか晩飯入るのかよ?」

「うっ…それは…」

俺達は別にいいんだよ。体動かすから。

「VRゲームがいくら脳を酷使すると言えど、過剰供給だろ」

あぁ、そうだ。本題を忘れる所だった。

「慧奈、葵」

「何よクソ蛙」

「はぐはぐ…んく…どうした?」

「今度プール行かね?」

すると慧奈の目がスッと細くなった。

「死ね。変態」

「あっそならいいんだよ。俺達だけで行くから」

「ん?達ってどういう事だ灯俊?
オレは何もきいてないぞ?」

「ああ、林檎と蜜柑は行くらしい」

すると慧奈が俺にフォークを突きつけた。

「だったら私も行くわ。
あんたみたいな性犯罪者とあの子達だけにしてたまるもんですか」

「ブラッキーズも来るぞ」

「は?ブラッキーって攻略戦のときのスプリガンよね?」

「そうそう。あとお姫様とかリーファとか姉御とかシリカちゃんとかも来るって」

「話が見えないのだけど?」

「今度SAO学校でキリトに旧アインクラッドに関する聞き取りをするらしい。
で、その間に暇なお姫様方は学校のプールで遊ぶって訳だ」

「成る程…って何であんたがソレを知ってるのよ?」

「どうやらSAO事件の後、つまりALO事件についての関連も調べるらしい。
だから、世界樹を突破した俺も聞き取りの対象なんだ」

「成る程ねぇ…」

「それで?オレ達も行っていいんだよな?」

「ああ、勿論だとも」

葵が小さくガッツポーズをした。

「それで慧奈さんよ。
そのプヨプヨした腹でプール行くの?
葵みたいにダイエッ…グホァ!?」

ガッツポーズから一変、この野郎エルボーかましやがった。

「おまっ…キラキラがでたらどうすんだボケぇ!」

「ふんっ」

葵はつーんとそっぽを向いてケーキを口に運ぶ。

「ぷっプヨプヨしてないし!」

「あっれぇ…?カマ掛けてみただけだけど、これは当たりだったか。
悪かったな、慧奈」

机の下で脚を蹴られる予感がしたので脚を開く。

慧奈の脚は俺の脚に当たる事はなく、俺の椅子の裏を蹴った。

「残念。読めてるんだよ」

「ふっ…甘いわ灯俊」

刹那、アレから激痛が走った。

「ッア……!……慧奈……テメェ…!」

慧奈の脚が振り子出はなく直線で…則ち俺のナニを捉えた。

「灯俊、灯俊。大丈夫か灯俊?」

「葵…ごめん…五分まって…」




五分後。

「け~い~な~!」

「何よ変態」

「なぜ罵倒する。お前がすべきは謝罪だ」

「死ね」

ヤバイ予感がしたので股間の前に手を。

案の定蹴って来やがったので脚を掴む。

「俺が男として死んだらどうするアバズレ」

「その時は私が可愛がってあげるわよ灯俊ちゃん」

にゃろぅ…

「さ、このバカは置いといて…」

と慧奈が席を立つ。

「まだ食うのかよ…」

「いいじゃない。私の勝手よ」

「はいはい…見といてやっから。
葵も行ってこい」

「お、ありがと」

二人が席を離れる。

「チャァーンス」

ポケットから小瓶を取り出す。

「I solemnly swear that I am up to no good」

小瓶といっても百均で売ってある弁当用醤油注だが、見た目がポーションっぽくて気に入っているのだ。

その小瓶の中身は赤くドロドロとした液体。

その中身を数滴、慧奈のドリンクの中に垂らす。

一分ほどして、二人が戻ってきた。

「……もう何も言うまい」

悪戯した事への笑みを隠すのに苦労すると思ったが、慧奈が持ってきたスイーツの量には呆れた。

「さっきのプールの件だが25日の9時からだ」

荷物を持って席を立つ。

「じゃ、俺は帰るから」

「おい灯俊、まだ時間は…」

「用事を思い出した」

「さっさと帰れくそ蛙」

さてと…

「Mischief managed」

「「は?」」

「じゃぁな」

店を出る直前、後ろで悲鳴が聞こえた気がしたが無視だ。












その晩、アルヴヘイムでカールターナーに執拗に追いかけられたのでホラーハウスに誘い込むとピーピー泣いてた。

ザマァ。 
 

 
後書き
アレの痛みはホラーハウスでは釣り合わない。
そこで妥協する灯俊は紳士だと思う。 
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