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とある3年4組の卑怯者

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124 集団暴行(リンチ)

 
前書き
 今回はかなり残酷な内容となりますのでご注意下さい。苦手な方は飛ばしても構いません。

江尻小学校の生徒の名前の由来
1組:東京23区の地名。ただし、小倉、熊谷は除く。
2組:大阪市の地名
3組:横浜市の地名。みどり、堀、平井、西原は除く(後者三人は「永沢君」のキャラクター)。
4組:名古屋市の地名
5組:広島市の地名 

 
 藤木はスケート場でジャンプやスピンをしながらみどりと堀を待っていた。
(よし、今日も調子がいいぞ!僕の技術のパワーアップを堀さんが見たら感心するだろうな・・・。あと片山さんによればさらなる演出が必用だったよな・・・。音楽に合わせた演技を表現する事か・・・。まるでオリンピックだな!)
 藤木はトリプルアクセルを決めた後、少し休憩する事にした。

 堀は榎像と新林によってある空き地に連れて行かれていた。
「いようし、榎像!俺はこいつを見張るから他の奴を呼んでくりぇい!」
「おおよ!!」
 榎像はその場を離れた。
「う、た、助けてー!」
 堀は叫んだが新林に「うるせえ!!」と殴られ、首を絞められた。
「あ、あ・・・」
「てんむぇえ、騒いだらぶっ殺すからな!」
 堀はどうする事もできなかった。

 みどりは助けを呼びに走る。途中で西原とすれ違った。
「あ、西原さん!!」
「吉川さん!?どうしたの?」
「大変です!堀さんが・・・、5組の榎像さんと新林さんに連れて行かれてました!!」
「え!?場所は!?」
「分かりません・・・」
「なら吉川さんはなるべく多くの人に助けを呼んで探してもらって!私も堀さんの場所を探しながら誰かに助けを求めるわ!!」
「はい!」
 みどりと西原はそれぞれを目的を果たしに別れた。

 榎像は小倉と熊谷を探していた。そして二人の姿を見つけると、声を掛けた。
「おーい!」
「ウエッ、榎像じゃねえか」
「堀を捕まえたぜ!」
「ウエッ!よっしゃ!」
「よし、堀便所め、ボコボコにするぞ!」
 小倉と熊谷は榎像に新林と堀がいる場所へと案内された。途中でその様子を1組の尾久里(おくざと)すみ子と池島香苗(いけじまかなえ)が目撃していた。
「あれ、小倉と熊谷・・・?」
「一体何してるのかしら?」
「ついて行ってみようか」
 二人はついて行った。5分ほど歩き、空き地に到着した。見るとその場には堀が新林に抑えつけられていた。二人は見てはいけないものを見てしまった気分だった。
「よお、堀便所」
「な、何よ、堀便所って・・・!」
「ウエッ、黙れ、クソ女!」
 小倉が堀の腹を蹴った。
「堀便所らしくションベンまみれにしてやるよ!」
「いや、嫌!やめて!!」
「黙りぇ、くぉらっ!!」
 堀は新林に両頬を捕まれた。そして塀に突き付けられた。あまりにも痛々しい光景に尾久里と池島は顔を手で覆った。
「ど、どうしよう!」
「香苗ちゃん、誰か助けを呼ばないと!」
「麹江君なら止めてくれるかもしれない。呼びに行こう!!」
 二人は急いで助けを呼びに行った。その途中、西原と遭遇した。
「あ、4組の西原さん!」
「あなた達は1組の尾久里さんと池島さん。どうしたの!?」
「大変よ!ウチのクラスの熊谷達があなたのクラスの堀さんをリンチしてるの!」
「ええ!?その場所は!?」
「向こうの空き地よ!」
「分かったわ!」
 西原は言われた空き地へと向かった。

 みどりは助けを求めて走り続ける。
(藤木さん、どうか堀さんを助けてください・・・!)
 学校が違うにも関わらず、みどりは藤木に助けを求めていた。

 リリィはまる子、たまえと共に駄菓子屋が期間限定の菓子を販売するというのでそれを買いに行っていた。中に栗のあんこが入っているという熱々の饅頭を食べた。
「お饅頭、すごい美味しかったねえ~」
「うん、栗のあんこなんて初めてだよ」
「私もお饅頭久々に食べたから美味しかったわ。ママやパパにも食べさせてあげたいわ」
 三人は談笑しながら道を歩いていると誰かが駆けてくるのが見えた。
「あら、あの子は・・・?」
 リリィはその女子に見覚えがあった。前に好きな人が友達にとられたと思い、泣いていた女子だった。
「あれ、みどりちゃん!?」
 まる子がみどりを呼んだ。
「まるちゃん、あの子と知り合いなの?」
「うん、ウチのおじいちゃんの友達の孫だよ。時々ウチに遊びに来るんだ」
「ええ!?そうなの!?」
 リリィは世界の狭さに驚愕した。
「あ、まる子さん、たまえさんも!!あ、貴女は確かリリィさんでしたっけ!?」
「え!?リリィの事も知ってるの!?」
「前に一度会った事あるのよ・・・」
「リリィさんもまる子さんのお知り合いだったんですか!?」
「知り合いも何もリリィはあたし達と同じ学校のクラスだよ」
「そ、そうなんですか!?」
「ところでみどりちゃんはどうしたの?そんなに急いで」
 たまえが聞いた。
「実は堀さんが・・・、堀さんが酷い目に合わされているんです!」
「ええ!?」
「ホリさん?」
 リリィが聞いた。
「みどりちゃんの学校の友達だよ!」
「助けが欲しいんです!堀さんを学校で嫌っている人が堀さんを連れ去って、それで今どこにいるのか分からないんです!!お願いします!助けてください!!」
 みどりは半べそで請いた。
「え・・・」
「まるちゃん、たまちゃん、探してあげましょうよ!みどりちゃんもその友達も可愛そうよ!!」
「うん、分かったよ!」
「ありがとうございます!!」
 みどりは三人に感謝した。四人で堀の捜索を開始した。みどりは藤木に会えなかったが、他に手を差し伸べてくれる人がいて少し心を落ち着かせる事ができた。

 西原が辿り着いた空き地では無惨な状況だった。小倉や熊谷達が集団で堀に暴行していたのだ。これを止めるには一人では無勢すぎる。助けを呼びに再び駆け出した。
(堀さん、辛抱して、絶対に助けるからね・・・!!)
 西原は途中で通りかかった学校の知り合いにすれ違う度に空き地で堀が暴行されている事を伝えた。そしてある公園を通ると倉山達がサッカーしているのが見えた。西原は公園へ入る。
「皆!大変よ!」
「西原?どうしたんだ?」
「大変よ!堀さんが小倉や熊谷達に暴行されているの!空き地の方で!!」
「何だって!?皆、助けに行くぞ!!」
 皆は了解した。そして小倉達の悪行を止めるために走り出した。 
 

 
後書き
次回:「集結」
 リンチを喰らう堀。彼女の元に一番乗りで助けに現れたのは一体誰なのか。そして堀の捜索にリリィやまる子、たまえも加わり、そしてスケート場でみどりと堀を待つ藤木の所にもその情報が入り・・・!?

 一度消えた恋が蘇る時、物語は始まる・・・!! 
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