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星河の覇皇

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第六十六部第一章 新兵器その六

「連合に入った場合を一とするとな」
「現状は一・二はありますね」
「それ位は」
「この差が大きいですから」
 一と一・二、この違いがなのだ。一件すると二割程度の違いである。しかしその二割が実に大きいのだ。
「よく我々はルールを無視すると言われる」
「連合のルールを」
「連合から言われますね」
「外交でもビジネスでも」
「文化交流でも」
「我々はマウリアだ」
 全てはこれに尽きた。
「連合ではないのだ」
「だからですね」
「連合のルールに従う道理はない」
「しかし連合に入ればですね」
「連合のルールに従うしかない」
「他文明のそれに」
「そうだ、連合は複数の文明があるがマウリア文明はない」 
 連合のその中にというのだ。
「そして連合の法もだ」
「マウリアにはマウリアの法があり」
「それは連合の法とは違います」
「その為連合に入れば何かと軋轢、衝突が生じますね」
「それが厄介ですし」
「連合は他の国に興味のない国だ」
 クリシュナータ、ひいてはマウリアもこのことはよく認識している。連合は鎖国はしていないがその中で自己完結している部分が多いのだ。
 それでだ、連合に入ればなのだ。
「あの国に入るとな」
「エウロパとは最初から国交がありませんし」
「完全に敵対しています」
「エウロパとの交流、貿易のメリットがなくなり」
「サハラとも疎遠になる」
「そのことも考えますと」
「今現在我々は人類の全ての市場を手に入れている」
 連合、エウロパ、サハラ、そしてマウリアだ。
「そして情報もな」
「その旨みは大きいですが」
「連合に入ればそれが消える」
「それではですね」
「旨みが少ないですね」
「連合に入った方が旨みが多いのならばだ」
 その場合はというと。
「連合に入るがだ」
「今はこのままでいた方がいいですね」
「独立した一つの国でいる方が」
「連合に入らずマウリア一国でいる」
「それがマウリアの一番いい状況ですね」
「だからこのままでいるべきですね」
「そうなる、こうしたエウロパの情報も容易に手に入りだ」
 そしてというのだ。
「それを連合、サハラにも売れる」
「この旨みは手放せませんですね」
「三つのどの勢力も見返りを出してくれますし」
「何処とも商売が出来る」
「実にいい状況ですね」
「技術の遅れは目を瞑ることが出来る」
 そして連合に入った場合の特典もだ。
「それだけのものがあればな」
「このままでいいですね」
「マウリア一国のままで」
「連合に入らないままで」
「そうだ、何の問題もない」
 まさに一切といった口調での返事だった。
「これでいい、そして話を戻すが」
「エウロパの兵器のことに」
「そのことにですね」
「話を戻されますか」
「これから」
「少しな、エウロパの兵器への思想が見える」
 まさにそれがというのだ。
「特に変わったことは速度だが」
「全ての兵器のですね」
「射撃精度コントロールや電子戦への対処だけでなく」
「その速度が変わった」
「このことが大きいですね」
「非常にな、確かに様々なコントロールを改良させて全体的な性能を飛躍的に上げたが」
 その中でもというのだ。 
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