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星河の覇皇

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第六十六部第一章 新兵器その五

「数と兵器、そうした電子戦とシステムで戦う」
「エウロパもサハラも二十世紀前半的な戦闘でしたね」
「第二次世界大戦の様な」
「確かに電子戦等もしていましたが」
「連合軍とは違いましたね」
「その戦争に対する考えの違いが出たのがエウロパ戦役だった」
 そのエウロパが本土で戦った戦争だというのだ。
「連合軍の数と兵器、システム、そしてその独特の戦術に負けた」
「兵器と戦術に対抗する為に」
「新兵器を開発していますね」
「この様に」
「そうしているのですね」
「そうだ、様々なシステムも改革、充実させていくだろう」 
 所謂軍事システムをというのだ。
「しかしだ、こうして新兵器を開発、製造してだ」
「今度は連合に勝つ」
「そのことを狙っているのですね」
「いや、連合の技術は隔絶している」
 エウロパと比べてもというのだ。
「軍事の最先端にもなっている」
「その元々の技術を活かして」
「そうなっていますか」
「その連合にはですか」
「まだ追いついていないですか」
「エウロパにとっては残念だがな」
 そうだというのだ。
「これでもだ」
「まだ追いついていませんか」
「連合軍には」
「そうですか」
「これでも」
「連合の技術は違う」
 軍事技術もというのだ。
「その有り余るまでの巨大な国力は技術も発展させた」
「発展を支える為のですね」
「発展している世界をさらに発展させる為にも」
 まさにだ、発展させていったというのだ。
「あの国は千年の平和の中で様々な技術を発展させてきて」
「それはこれまでは軍事には然程向けられていませんでしたが」
「民間の技術を軍事に移した」
「その結果ですか」
「あの軍事技術も手に入れた」
「そうなのですね」
「技術はその分野に留まらない」
 クリシュナータはこの現実も話した。
「民間のものが軍事に移ることもあれば」
「軍事技術もですね」
「民間に移ることもありますね」
「そうだ、連合の民間技術は実に素晴らしい」
 このことには定評がある、連合はその千年の平和と繁栄の中で様々な分野で技術を発展させたがその全ての民間技術だったのだ。
「我々も学んでいるがな」
「どうしてもですね」
「ランクが幾つか下がるものです」
「連合も最新技術は渡しませんし」
「差は縮まっていないですね」
「連合に入れば差はなくなる」
 クリシュナータはあえてこの解決案を提示してみせた。
「そうすればな」
「他にも特典がありますね」
「連合に入れば」
「その巨大な経済圏にも入りますし」
「最新技術だけでなく経済的繁栄も手に入ります」
「それは相当なものですね」
「しかしだ、バランサーとしての利益と旨みもなくなる」 
 クリシュナータは今度はこのことを言ってみせた。
「この旨みは大きい」
「連合、エウロパ、サハラの間にいること」
「このこと自体がですね」
「マウリアにとっては旨みですね」
「それも相当な」
「三つの勢力圏の間にありだ」
 そのうえでというのだ。
「三つの勢力全てと交流を持ち」
「その間に入り動き」
「情報等を提供し見返りを手に入れる」
「その旨みがなくなる」
「その旨みは連合に入る以上ですね」
「そうだ、連合にいるよりもだ」
 さらにというがだ、その割合はというと。 
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